成田凌、若葉竜也らがインパクトを残す 『おちょやん』杉咲花の輝きを影で支えた俳優たち

成田凌、若葉竜也らがインパクトを残す 『おちょやん』杉咲花の輝きを影で支えた俳優たち

 「おはようさんでございます」。明るい声が響き渡り、お茶の間の朝を元気付けた『おちょやん』(NHK総合)が、ついにあと残すところ2回となった。

 本作は、“大阪のお母さん”と呼ばれた喜劇女優・浪花千栄子をモデルに、芝居の世界を生きるヒロイン・竹井千代の成長を、涙あり、笑いありで描いた作品だ。主役の杉咲花は、そのコミカルな芝居を通して多くの視聴者に笑顔と感動を与えてきた。しかし、この竹井千代の物語、実はヒロインの輝きを影で支えた(時に苦しめた)男性陣の活躍もまた負けず劣らずの反響を呼んだのである。

 特に“朝ドラ史上最悪の父親”と呼ばれたテルヲ(トータス松本)や、浮気相手を孕ませた挙句に妻を捨てたことでクズ男など手厳しい声の上がった一平(成田凌)など、強烈なインパクトを残したキャラクターは枚挙にいとまがない。だがこれだけのインパクトを人々に与えたということは、裏を返せば素晴らしい芝居で作品を彩ったということ。今回はそんな男性キャラクターを1話からピックアップして紹介したい。

“天性の人たらし”天海一平(成田凌)

 二代目天海天海として道頓堀の喜劇界を牽引した一平だが、プライベートでは酒と女は芸の肥やしと言わんばかりのだらしない態度で千代に迷惑をかけ続けた。そんな一平だが、物語序盤では千代の家庭環境や孤独な生き方に呼応するようにそっと寄り添う優しさも見せるなど、決して悪い奴ではない。千代にとっての一平は、お互いに孤独を埋め合った大切なパートナーであり、一平にとっての千代はダメになりそうな時は何度も手を差し伸べ引き上げてくれた大切な人であった。一平を演じた成田凌は、『チワワちゃん』(2019年)、『愛がなんだ』(2019年)など、過去にもスクリーンを通して女性関係にだらしない役を演じており、それが見事なハマり役としてかなりの高評価を得ていた。成田の芝居には独特な色気があり、物憂げな瞳をみているとつい世話を焼きたくなる。こうした演技の端々から滲み出る“愛され要素”が結果的に女性を虜にし、堕落した男性役を演じた時に強い引力を放つのだろう。今回も一平という役を通し素晴らしいクズっぷりを発揮し、多くの視聴者にインパクトを与えた。

“ロマンを追う男”小暮真治(若葉竜也)

 小暮は千代にとっての初恋の男性。千代が大部屋女優をしていた時の鶴亀撮影所の助監督で、「いつかは監督になりたい」と夢見て奔走する姿が魅力的な青年だ。本作の男性陣の中では群を抜いて好印象を残したキャラクターだろう。カフェー「キネマ」で開催されたビール月間で千代が1位になるように、飲めないビールをたくさん飲む健気さも持ち合わせ、優しく暖かい声で「千代ちゃん」と呼びかけ、いつか自分の作品に出演させることを約束していた純情な男である。第16週では、千代が女優を志すきっかけになった大女優・高城百合子(井川遥)と結婚し“演じる自由”を守るためソ連に亡命しようとするなど、芝居への熱い思いを滲ませた。出演期間はそれほど長くはないキャラクターだが、小暮を演じた若葉の甘い表情と優しい声は強く記憶に刻まれたことだろう。

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