“朝ドラ出演芸人”の筆頭? 星田英利、『おちょやん』の新たなスパイスに

星田英利、『おちょやん』の新たなスパイスに

 杉咲花が主演を務めるNHK連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)で、成田凌演じる天海一平の師匠であり、嫌味なライバル的存在にもなる“喜劇界のアドリブ王”・須賀廼家千之助役を演じる星田英利。『カーネーション』『まれ』に続く3度目の連続テレビ小説出演で、ある意味、朝ドラに出演するお笑い芸人の代表格の一人とも言える。

 かつては「ほっしゃん。」の名で、1991年に宮川大輔とチュパチャップスを結成、1999年の解散以降もピン芸人として2005年のR-1ぐらんぷりで優勝を果たすなど、確かな実力を持った芸人としても知られていた星田。ちなみにR-1で披露したネタは、居酒屋で女性に扮した星田が正面に男性がいると想定した会話芸で、ひたすら例えてツッコミ倒していくものだた。今回『おちょやん』で星田が演じている、須賀廼家千之助のモデルとされている"アドリブ王”と呼ばれた曾我廼家十吾は、お婆さん役を得意としていた喜劇役者だけに、どこか共通するものも感じる。

 朝ドラ『カーネーション』では、ヒロイン・糸子(尾野真千子)と手を組んでアパレル事業を興す北村達雄役を演じ、糸子との漫才のような掛け合いや、「こんな人、いる」と思わせるような自然な演技を見せ、役者としての評価が上がる。コント経験の多いお笑い芸人は役者としての即戦力であり、出演者の多い朝ドラでは、新しい人材を見つけるという意味でも、白羽の矢が立つことが多い。『カーネーション』は岸和田が舞台だったというのも、泉南出身の星田が抜擢された理由の一つでもあったのかもしれない。

 そんな中でも、ドランクドラゴンやアンガールズの田中卓志、ナイツなど他にも数多くの芸人が出演した異色の朝ドラ『まれ』では、輪島塗の蒔絵師役で、昔気質の職人を演じた。ちなみに、『おちょやん』での最大の敵となる喜劇王・須賀廼家万太郎を演じる板尾創路は、星田が出演した朝ドラ全てに出演している。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる