キャリア初のオスカー候補入り チャドウィック・ボーズマンが100%を注ぎ込んだ演技への愛
そんなふたりが作り上げた映画は、娯楽アクションスリラーでありつつも、警察を人間としてとらえる、ヒューマニティを感じさせる作品になった。ボーズマンとステファン・ジェームズによる地下鉄の中のシーンは、最も良い例だろう。「悪い奴を追いかけているうちに、相手には自分といくつか共通点があると発見する。自分とは正反対だと思っていたのに。そして、相手を殺すのではなく、助けなければならないと思うんだ。この映画が語るそんな部分に、僕は強く魅了された」と、カーク監督はこの映画のテーマについて述べている。
役作りのため、ニューヨーク警察やロサンゼルス警察の刑事に会い、そのうちの何人かとは個人的にも親しくなったボーズマンは、この映画を通じて、警察官も人間なのだという認識を、あらためて強めたという。しかし、警察は、武器と権力をもつ人。だから正しい倫理観を持ち、常に規範のもとに行動することが必要なのだと、ボーズマンは主張していた。
「警官だって、僕らと同じように悩みがあるし、不機嫌な時もある。だが、彼らは他人の人生を大きく左右する力を持つ。時には、他人の命まで。どんな時も規範を持って行動する刑事の姿は、僕らに希望を与えてくれる。そこを語るから、この映画は重要なんだ」(チャドウィック・ボーズマン)。
彼がこの映画に込めたそんな強いメッセージを、強く噛みしめたい。
■公開情報
『21ブリッジ』
4⽉9⽇(金)全国ロードショー
監督:ブライアン・カーク
脚本:アダム・マーヴィス、マシュー・マイケル・カーナハン
製作:ジョー・ルッソ、アンソニー・ルッソ
出演:チャドウィック・ボーズマン、シエナ・ミラー、テイラー・キッチュ、J・K・シモンズほか
配給:ショウゲート
2019/中国・アメリカ/99分/原題:21 Bridges
(c)2019 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト:21bridges.jp
公式Twitter:@21bridges_jp
公式Facebook:https://www.facebook.com/21Bridgesmoviejp