『君と世界が終わる日に』中条あやみが竹内涼真に銃口を向けた理由を考える S2への布石も

『きみセカ』中条あやみが銃口を向けた理由

 ジヨンと話した来美は、首藤の魂胆も知ったはず。それでもなお響ではなく首藤を選んだとすると、来美にはそちら側にいる動機があるということになる。かねてより、冷凍保存装置には首藤の妻の遺体が眠っているのではないかと噂されてきた。来美は首藤の亡き妻に対する思いに感動したのかもしれない。また避難民を見殺しにできないという責任感が来美を引き留めたとも考えられる。あるいは想像しにくいが、来美自身が首藤に思いを寄せている可能性もある。これまでに、打ちひしがれる首藤を来美が抱き寄せる描写もあった。

 結果として、愛奈やミンジュン(キム・ジェヒョン)を失った復讐の連鎖に来美も絡めとられる形となった。仲間を殺した人間を憎むのはどちらも同じだが、こういう時、紹子のように相手を許せる人間がいることの意味を考えさせられる。紹子は娘の結月(横溝菜帆)に自分を刺した勝利を責めないように伝え、来美を許せないという佳奈恵(飯豊まりえ)の葛藤を受け止める。その姿は、来美に刺されたことを響に伏せてほしいと頼んだミンジュンとも重なる。来美に紹子のような存在がいたらと願わずにいられなかった。

 いよいよ大詰めのSeason1。御前崎(宇野祥平)がラジオで知ったシェルター「希望の家」などSeason2につながる伏線も登場した。駐屯地がゴーレムで埋め尽くされる中、響と来美の関係から目が離せない。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『君と世界が終わる日に』
Season1(全10話):日本テレビ系にて毎週日曜22:30〜放送
Season2(全6話):Huluにて、3月配信開始
出演:竹内涼真、中条あやみ、笠松将、飯豊まりえ、大谷亮平、笹野高史、マキタスポーツ、安藤玉恵、横溝菜帆、滝藤賢一
脚本:池田奈津子
音楽:Slavomir Kowalewski A-bee
主題歌:菅田将暉「星を仰ぐ」(Sony Music Labels Inc.)
制作:福士睦、長澤一史
チーフプロデューサー:加藤正俊、茶ノ前香
プロデューサー:鈴木亜希乃、鬼頭直孝、伊藤裕史
協力プロデューサー:白石香織
演出:菅原伸太郎、中茎強、久保田充
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ、HJ Holdings,Inc.
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/kimiseka/
公式Twitter:@kimiseka_ntv
公式Instagram:@kimiseka_ntv

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