『半妖の夜叉姫』とわに宿る母・りんの“人を愛する心” 虹色真珠のルーツも明らかに

『半妖の夜叉姫』とわに宿る“人を愛する心”

 今回は新たに、刹那猛丸との死闘の末に亡くなった殺生丸と犬夜叉の父・犬の大将の死を悲しんだ是露が「心も涙も妖力も捨てる」と四魂の玉に願いをかけ、流した涙が強い妖力を秘めた虹色真珠になったことが明らかに。是露を「姉さん」と慕う理玖は、真珠をすべて集め彼女の元に返そうとしていたのだ。しかも、その事実をあっけらかんととわに告げる理玖。とわの虹色真珠を取り出そうとしたその瞬間、朔のとわを狙って饕餮(白熊寛嗣)が襲撃する。

 理玖はかつて麒麟丸の部下だったが、打ち捨てられた後は四凶から必要以上に敵視されている。味方なのか、敵なのか分からない存在ではあるが、身を粉にして饕餮からとわを守る彼はどうやら完全な悪人ではなさそうだ。“愛”については色々と持論があるようで、「愛するものしか殺さない」という自分の中の決まりがあるらしい。けれど、理玖はなぜかとわだけは何の利点もないのに殺せず、守ってしまうと語る。以前妖怪である焔が人間に恋をし、拒絶されたことで自らの身体を燃やし尽くした時、理玖は「人間を愛するとろくなことにならない」と軽蔑していたが、もしかしたらとわへの愛情が芽生えているのかもしれない。

 そして、饕餮から身を守ってくれた理玖に、とわは「愛とか恋とかよく分からないけど、好きって気持ちならわかる! 私、理玖のことが好きだ」と告げ、自身が持つ銀色真珠を渡す。天真爛漫でまっすぐな心根が、どんな人の心も溶かしていくーーそんなとわは見た目だけではなく、殺生丸に“人を愛する心”を教えたりんの性格によく似ている。しかし、疑うことを知らないため、稀に危険に晒されることも。実際、理玖が真珠を返そうとしている是露は半妖であるとわたちを憎んでいる。第22話「奪われた封印」では是露がとわを操り、せつなの封印が解かれてしまうようだ。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter

■放送情報
『半妖の夜叉姫』
読売テレビ・日本テレビ系にて、毎週土曜17:30~放送
※一部地域を除く
監督:佐藤照雄
シリーズ構成:隅沢克之
メインキャラクターデザイン:高橋留美子
アニメーションキャラクターデザイン:菱沼義仁
音楽:和田薫
アニメーション制作:サンライズ
製作:サンライズ、小学館、読売テレビ
(c)高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020
公式サイト:hanyo-yashahime.com
公式Twitter:@hanyo_yashahime

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