『青のSP』ではどう動く? 『バトル・ロワイアル』など藤原竜也のキャリアを振り返る

藤原竜也の役者キャリアを振り返る

 主演ドラマ『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』(カンテレ・フジテレビ系)が放送中の藤原竜也。ドラマ、映画、演劇にと、彼ほどバランス良く、異なる“芝居の場”で大役を担い続けている存在はそういないのではないだろうか。藤原のバイオグラフィーを振り返ってみると、いずれにも偏りがない。畑が違っても、彼は必要とされ続けてきたのだ。

 役者・藤原竜也と出会った作品やタイミングは人それぞれだろう。1997年上演の彼のデビュー作『身毒丸』から追っかけているという強者もいるのだろうし、あるいは映画初出演作にして初主演を飾った『仮面学園』(2000年)だという方もいるかもしれない。筆者の場合は、2004年の大河ドラマ『新選組!』の沖田総司役。もしかするとこれ以前に彼の出演作を観ている可能性はあるが、藤原という存在を意識したのはこれが最初だ。

 当時の彼はまだ20代前半。見た目は若々しく瑞々しいが、それまでにかなりの場数を踏んでいるのだとあって、ときおりのぞかせる演技者の貫禄に惹きつけられたものだ。“天才剣士”として知られる沖田総司と、“演劇の申し子”として芝居の世界に誕生した藤原には、あの当時、何か重なるものがあったのかもしれない。鋭い太刀筋の美しさから、結核によって弱っていく儚さまで、いまだに鮮明な記憶として残っている。

『カイジ ファイナルゲーム』(c)福本伸行・講談社/2020映画『カイジ ファイナルゲーム』製作委員会

 その直後に出会ったのが、『バトル・ロワイアル』(2000年)の七原秋也役だ。世の中的には『デスノート』シリーズ(2006年〜2016年)の夜神月役や、『カイジ』シリーズ(2009年〜2020年)でのカイジ役の印象がすっかり浸透しているが、筆者にとって藤原といえば七原秋也なのだ。時代劇である『新選組!』とは違って、学生服に身を包み、猜疑心の渦巻く世界を必死に生き抜いていこうとする七原の姿からは、何か共感めいたものを得たことを覚えている。とりわけ、感情が沸点に達した際の藤原の芝居はこの頃から白眉。『デスノート』や『カイジ』でそのリミッターが壊れた感があったが、特に後者で演じたのはタイトルロールでもある。トリッキーな物語の内容から考えても、リミッターを自ら破壊し、“カイジ(=藤原竜也)劇場”を展開する必要性があったのではないだろうか。しかしこれにより、幸か不幸か、藤原竜也=カイジのイメージはすっかり定着したように思う。

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