『呪術廻戦』、新オープニング曲から感じ取れる虎杖悠仁の心情 物語との親和性も

『呪術廻戦』虎杖悠仁の心情とOP曲の関係性

 「VIVID VICE」を手がけるWho-ya Extendedは、ボーカリストのWho-yaを中心としたクリエイターズユニット。2019年アニメ『PSYCHO-PASSサイコパス 3』(フジテレビ系)のオープニング「Q-vism」でデビューし、同楽曲は、iTunes総合チャート第1位を記録した。

 近未来クリミナルサスペンスとして揺るぎない人気を獲得した『PSYCHO-PASS』シリーズの世界観に、Who-ya ExtendedのアグレッシブなロックサウンドとWho-yaのフラットでありながら尖った歌声が絶妙にマッチしていたが、その実力が今回『呪術廻戦』でも発揮されている。

 第1クールの「廻廻奇譚」は、不気味な雰囲気を漂わせながらもサビでは突き抜けるような爽やかさがあり、少年漫画のアニメのオープニングらしさがあった。だが、今回の「VIVID VICE」は、虎杖の心情の変化に伴い、そして、物語がより過酷な方へ向かうことを暗示するように、より不穏さを掻き立てる、肌がひりつくような曲に仕上がっている。歌詞にも虎杖の感情が反映されており、〈もう戻らない/金輪際 後悔はしない 現実を変えてみせる/真実がたとえ残酷でも〉、〈拮抗してゆく是非善悪のボーダーラインと/葛藤していた温い本心に一撃を打つ〉など、価値観を揺るがされた迷いと、それでもまっすぐ進もうとする決意が滲む。

 第1クールでは、オープニングムービーが回を追うごとに変化しているなどの仕掛けが施されており、SNS上では構図が示す暗喩についての考察も盛り上がった。「VIVID VICE」も、曲とマッチしたオープニングムービーの見応えがあり、目が離せない。ここからさらに勢いが加速すること間違いなしの『呪術廻戦』。ストーリー、映像、音楽、余さず楽しみたいところだ。

■満島エリオ
ライター。 音楽を中心に漫画、アニメ、小説等のエンタメ系記事を執筆。rockinon.comなどに寄稿。満島エリオ Twitter(@erio0129

■放送情報
TVアニメ『呪術廻戦』
MBS/TBS系“スーパーアニメイズム”枠にて、毎週金曜深夜1:25〜放送中
(c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委
公式サイト:https://jujutsukaisen.jp/
公式Twitter:@animejujutsu

■リリース情報
TVアニメ『呪術廻戦』第2クール オープニングテーマ
Who-ya Extended「VIVID VICE」
2021年1月16日(土)ダウンロード配信開始

■パッケージリリース情報
Who-ya Extended
EP『VIVID VICE』
2021年2月17日(水)リリース

・初回生産限定盤(CD+DVD) ¥1,500(税抜)-¥1,650(税込)
三方背スリーブ仕様
・期間生産限定盤(CD+DVD アニメジャケット盤)¥1,500(税抜)-¥1,650(税込)
描き下ろしアニメジャケット デジパック仕様
・通常盤
¥1,250(税抜)-¥1,375(税込)
<収録曲>
01. VIVID VICE
02. The master mind
03. VIVID BANG
04. Enough Is Enough
05 VIVID VICE TV size ※期間生産限定盤のみ
06 VIVID VICE (Instrumental)
<初回生産限定盤特典DVD>
VIVID VICE MUSIC VIDEO
<期間生産限定盤特典DVD>
TVアニメ「呪術廻戦」第2クール ノンクレジットオープニングムービー

公式サイト
公式Twitter

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