杉咲花の“啖呵”が『おちょやん』に与えるリアリティ 小暮の“優しさ”だけでは救えない千代の孤独

杉咲花の“啖呵”が『おちょやん』に与えるリアリティ 小暮の“優しさ”だけでは救えない千代の孤独

「お父ちゃん……それだけはしてはいけまへんと。今日が木曜日。今日、明日でお父ちゃんが変われるかというところです。私は本当に心から祈っテルヲ」

 今日もキレキレの高瀬耕造アナによる“朝ドラ送り”に見送られながらスタートした『おちょやん』(NHK総合)第39話。千代(杉咲花)への情の込もった思いに救いはあるのかと思いきや、テルヲ(トータス松本)は再び借金まみれとなっていた。あろうことか、千代がいつか弟・ヨシヲ(荒田陽向)と一緒に暮らすため、岡安のシズ(篠原涼子)に返すためにと貯めていた金に手を出してしまう。

「何してんのか、聞いてるやろ!」

 カフェー・キネマに響く、千代の怒号。それもそのはず。振り返れば、千代が岡安を飛び出し、京都にあるキネマに辿り着いたのは、もともとテルヲの借金が根本の原因にあった。岡安をはじめ多くの人に迷惑をかけたことを知りながら、この父は再び同じ過ちを犯そうとしている……いや、すでに目の前で犯してしまっているのだ。恩を仇で返し、さらには唯一の希望であるヨシヲまでをも見捨てた発言をするテルヲに、千代は「金の切れ目が縁の切れ目や」と絶縁を言い渡す。これから先、テルヲが改心する日はやってくるのだろうか……。そこは明日、『あさイチ』(NHK総合)のプレミアムトークに出演するトータス松本が語ってくれるだろう。

 いつまでも中堅止まりの女優では、いつまでたってもヨシヲの元には自分の名声が届きはしない。テルヲからの言葉を鵜呑みにしてしまった千代は、撮影所に行くのもやめ、キネマの女給として生きていくことを決心する。

 そこに勢いよくカフェーの扉を開けて登場するのが小暮(若葉竜也)だ。千代を主役にするために書いた最後の脚本も、あえなくボツにされ、彼は監督になる夢を諦め東京にある父の大きな病院を継ぐことを決めていた。一方で芽生えていた千代への思い。小暮は千代に一緒に東京に来ないかとプロポーズを申し込む。

 このままカフェーで女給を続けるか、小暮と共に新たな道を歩みだすのか。小暮は初恋を教えてくれた人。もちろん、千代の選択は一つしかなかった。退職願を胸に忍ばせ、鶴亀撮影所を訪れる千代。先に辞表を出してきた小暮は、すでに千代とのこれからの未来を考えている。ヨシヲのことも、どうしようもないテルヲのことまでも面倒を見ると。

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