細かい“厭描写”が光る “気軽に楽しめる映画”の需要を満たす『デンジャー・ゾーン』

細かい“厭描写”が光る “気軽に楽しめる映画”の需要を満たす『デンジャー・ゾーン』

 近年、中規模程度のアクション映画が減っている。もちろん正座して観たくなるような名作は重要だし、心に突き刺さる映画も必要だ。しかし、ながら見しながら、時々「おっ」と思う程度の、気軽に楽しめる映画も私は大好きである。Netflixオリジナル映画『デンジャー・ゾーン』(2021年)は、そんな需要をピッタリ満たしてくれた。

 東欧でアメリカとテロリストが苛烈な戦いを繰り広げている近未来。ドローン操縦士のハープ(ダムソン・イドリス)は、今日もアメリカ本国からお気楽に戦争に勤しんでいた。銃撃戦の渦中で撃たれた部下を救おうと四苦八苦する現場に、キャンディを食べながら「その2人は見捨ててください。それより、隣にミサイルがありますよ」と無情な指示を出すハープ。当然、現場の隊長は「部下を見捨てられるか!」とブチギレ、上官もここは考えどころだとステイを促すが、ハープはミサイルが危険だと独断でドローン空爆を行う。結果、その2名は空爆の巻き添えで死に、ハープは上官の指示に従わなかったと処分を受けることに。裁きの場でも「僕は間違っていません! 2人は死んだけど、38人は救えました!」と主張するが、再教育のため戦地へ送られる。そしてやってきた最前線で、リオ大尉(アンソニー・マッキー)と共に極秘任務に就くが……。何とリオ大尉は自分の意志を持つ最新アンドロイドであった。驚愕するハープだったが、すぐさまリオと共に出撃することに。かくしてハープはこれまでの安全圏での戦争から一転、常に死と隣り合わせの“戦場”に放り込まれるのであった。監督は『1408号室』(2007年)や『大脱出』(2013年)など、中規模程度のサスペンス・アクションで鳴らすMr.中堅ミカエル・ハフストローム。

 本作にはいくつかの問題点がある。格闘アクションシーンの編集が荒く、やや見づらい。陰謀に告ぐ陰謀で話が二転三転するため、話が必要以上に複雑になっているし、後半からの展開も好みは別れるだろう。最終対決もアクション映画的なカタルシスには欠く。若干、途中で予算が尽きたんじゃないかな? と感じるのが事実だ。

 しかし、細かい見どころは山盛りだ。たとえば、特殊効果班の熱いこだわりを感じるロボット兵士だろう。本作には完全人間型のリオとは別に、「ガンプス」と呼ばれる武骨なデザインの戦闘ロボ軍団が登場する。ガンプスは、いわゆる量産型であり、戦場でバンバン使い捨てられる。人間の兵士の盾として前に出され、銃弾を食らい、最後はロケット弾やらで大破(無敵ではないのだ)。量産型は粗雑に扱われてナンボという、特定のファン層のツボをしっかり押さえている。また、自陣に展開する時は体を固定するように若干の変形をするなど、「予算的にはギリギリかもしれん。ばってん、わしらは量産型戦闘ロボならこういう動きは絶対やりたいとばい!」というスタッフの気概が伝わってくるようだ。

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