劇団EXILEメンバー分析 Vol.2:八木将康
八木将康、劇団EXILEの“ハルク”として絶大な安定感 コミカルな芝居の裏にある繊細な感情
劇団EXILE内での役割を『アベンジャーズ』のメンバーに例えると、八木は「ハルク」(小野塚談)だというが、大きくて強さがあり時にそれを爆発させるけれど、同時に繊細な感情も垣間見せるというところからそう見えるのだろうか。
八木は、小野塚の評価を受けて、全員が主役の『アベンジャーズ』のように、劇団EXILEもなっていきたいと語っている。そんな劇団全員が出演した舞台『勇者のために鐘は鳴る』で八木は、三度の飯よりギャンブルの好きな「うまなり」を演じた。八木に、ハルクのようなどっしりした部分があるからこそ、メンバーも安心して彼にコミカルな部分を委ねられるのかもしれないとも思った(参照:TOKYO HEADLINE「八木将康「劇団EXILEも『アベンジャーズ』みたいなチームになりたい」」|TOKYO HEADLINE)。
そんな八木だが、2020年には映画『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』に出演。この作品は、CM制作会社で働いていたものの、手柄を同僚にとられ、退職した主人公の一ノ瀬里奈(松井愛莉)が、あるきっかけからセラピストを目指し、そんな中で起こる出来事を描いている。八木はその主人公が出会う元プロ野球選手の碓氷隼人役を演じている。
里奈や少年野球教室に通う子供たちに野球を教えたり、実際の野球場で試合をしているシーンなどでは、駒大苫小牧高校野球部員として甲子園に出場した経験を持つ元高校球児の凄さを見せてくれている。もちろん、本作での八木の魅力はそれだけではない。
過去に傷を負い、前向きになろうとしながらもなかなかなれなかった隼人と、同じような経験を持つ里奈が出会ったことで、ふたりが共にそれぞれにとっての前を向いて歩んでいく姿が描かれていく。八木は、これまでによく見せていた、コミカルな顔を一切封印し、シリアスで、この世の中のどこかにいるかもしれない元プロ野球選手の顔をしていた。
八木は、LDHの先輩である松本利夫が主演、井筒和幸が監督の映画『無頼』にもわずかではあるが出演している。『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』にしても、『無頼』にしても、こうしたこれまでとは違う役割を、これからはどんどん見せていってほしいし、こうした役を演じられる時期がきたのではないかと思う。
■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。
■公開情報
『無頼』
12月12日(金)より、新宿 K’s cinemaほか全国順次ロードショー
監督:井筒和幸
出演:松本利夫(EXILE)、柳ゆり菜、中村達也、ラサール石井、小木茂光、升毅、木下ほうか
配給:チッチオフィルム
配給協力:ラビットハウス
2020年/日本/146分/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/R15
(c)2020「無頼」製作委員会/チッチオフィルム
公式サイト:www.buraimovie.jp
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