『犬夜叉』ファンには好評、『半妖の夜叉姫』にある新たな“萌え” 今の子どもたちを取り込めるか?
そして何より唸らされたのは、メインの3人が、それぞれ親によく似ていること。
女子校に男子の格好で通うとわは、腕っぷしが強く、クールなイケメン風味があるし、森の中で別れるまではおとなしそうだったせつなは、今は人が変わったように冷たく鋭い眼光でフワフワのファーをつけて戦っていて、父親そっくりだ。もろはは、かごめ成分が入っている分、犬夜叉よりも少し賢いだけに、ここまでの展開ではなぜか「解説者」ポジションになっている。しかし、目つきはコメディタッチのときのかごめソックリで、それを見て、かごめの母が気づくというところには、なんだかグッときてしまう。
リアルな世界においても、かつて「好きだった人」に、知らない間に子どもができていたと知った瞬間は、かなりショックを受けるものだろう。しかし、いざその子どもの姿を目にしたとき、そこに色濃く存在する面影を見つけてしまうと、どうしようもなく慌ててしまったり、うっかりときめいてしまったりすることがある。そうした新たな萌えが、『半妖の夜叉姫』にはある。制作者の掌の上で転がされている気分だ。
ちなみに、多くの女性たちが最も気にしていた殺生丸の子の母が誰なのかということへの答えは、第4話の予告でほぼ明らかになっている。これには納得・安心の声と、歓喜の声があがっている一方で、「それは(年齢的なことから)さすがにマズイだろ」という声も。
まだまだわからないことだらけの『半妖の夜叉姫』だが、細かなファンサービスを余すところなく楽しむためにも『犬夜叉』を再び観ながら、追いかけていきたいと思う。
■田幸和歌子
出版社、広告制作会社を経てフリーランスのライターに。主な著書に『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)などがある。
■放送情報
『半妖の夜叉姫』
読売テレビ・日本テレビ系にて毎週土曜17時30分より放送
※一部地域を除く
監督:佐藤照雄
シリーズ構成:隅沢克之
メインキャラクターデザイン:高橋留美子
アニメーションキャラクターデザイン:菱沼義仁
音楽:和田薫
アニメーション制作:サンライズ
製作:サンライズ、小学館、読売テレビ
(c)高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020
公式サイト:hanyo-yashahime.com
公式Twitter:@hanyo_yashahime