“中村倫也×若手女優”は黄金パターン? 浜辺美波、小芝風花に続く森七菜に期待大!
穏やかな雰囲気とふわふわとした柔らかさで、視聴者までをもまるっと包んでくれる中村倫也。まもなく『この恋あたためますか』(TBS系)がスタートするなど、途切れることなく話題作に出演を続ける中村だが、ふと気づくのが彼の横にいる若手女優の輝きっぷりである。
たとえば『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系/2018年)で共演したのは浜辺美波。中村が扮したのは、倒産寸前の“崖っぷち”ホテル「グランデ・インヴルサ」の総料理長・江口竜二。そして浜辺は、江口に天然発言を連発する若き女性パティシエ・鳳来ハルを演じた。
腕は良いがヤル気のない江口と、底抜けに明るいハルのやりとりは、かわいすぎると大反響。ポジティブなハルにツッコミを入れる江口という、噛み合ってなさそうで実は相性抜群の“えぐハルコンビ”において、浜辺の愛らしさが大爆発。以降の活躍は、言うまでもない。
『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系/2020年)で共演したのは小芝風花。ドラマは、超美食家で変わり者の探偵・明智五郎(中村倫也)が、グルメの知識を使って殺人事件を解決していく物語。小芝は明智がこよなく愛する移動弁当屋の店主であり、探偵の助手として駆り出されてしまう小林苺を演じた。
プロデュサーの荻野哲弘氏は、このキャスティングについて「早口でも滑舌が良くて、中村さんとテンポの良いかけ合いができる若手女優の方々を探して……」と明言している(参考:『美食探偵』プロデューサーが明かす撮影の裏側 中村倫也、小芝風花らの演技は何をもたらした?)。現に小芝は中村と漫才のようなクセになる掛け合いを見せ、コメディセンスを遺憾なく発揮。その後『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)で民放連ドラ初主演を果たした小柴にとって、さらなる飛躍への鍵となった。
個性的なキャラクターから等身大の人物まで、自在に行き来する能力を持つ中村。知名度が上がれば上がるほど、自分の持つ画力を抑えるのが難しくなっていくはずだが、どんなに人気を得ようとも、中村の芝居は相手を引き立てるレフ板のような効果を生むのがすごいところ。
それは、もともと中村が持つ“ゆとりのある空気感”から来るもののようにも思えるが、実際には自身と相手の役柄について、深いところまで理解しているからこそ成立するテクニック。事実、『崖っぷちホテル』時には公式インタビューで「浜辺さんが一番可愛く見えるように頑張ろうと」と語っており(引用:浜辺美波・中村倫也が演じる“崖っぷちホテル”の調理人たち 一見ギスギスも実は「こいつら仲良いな」|崖っぷちホテル!|日本テレビ)、あの自然なやりとりが、己の表現力を駆使し、相手をどう魅せるかを考え抜いた上での芝居なんだと思うと、やはり中村の才能は底知れない。
一方で、浜辺は撮影当時を振り返り、「私がずっと焦っていて、面白がりながらフォローをしてくれて。アメとムチを使って引っ張ってくれる」とコメント(引用:中村倫也は「優しいお兄ちゃん」 神木隆之介&浜辺美波が明かす“ミステリアス俳優”の素顔 | ORICON NEWS)。また小芝は「主演としての立ち振る舞いを真似したい姿」を聞かれた際に中村の名前をあげ、「作品への参加の仕方や役へのこだわり、周りのスタッフさんへの気づかいとか。私が演じた役に対しても、親身になって一緒に考えてくださるんです」と明かしている(引用:小芝風花、民放連ドラ初主演 - 中村倫也に感銘と刺激「すごいと思った」 | マイナビニュース)。
芝居のサポートのみならず、心をほぐしながら、アドバイス……ここに来て浮かび上がるのは、中村倫也、最強の上司説。現場での中村の振る舞いについて「お兄ちゃんみたい」と語る共演者は多く、彼が何気なく行う“若手キャストがのびのびと演じられる環境作り”もまた、彼女たちが輝きを増す要因のひとつになっているのかもしれない。