岡部大と森七菜が7年越しにゴールイン 『エール』戦時中の物語の癒やしに

岡部大と森七菜が7年越しにゴールイン 『エール』戦時中の物語の癒やしに

 裕一(窪田正孝)のもとに召集令状が届いた。NHKの連続テレビ小説『エール』が第17週の初日を迎え、戦地で戦うことを覚悟する裕一と裕一を送り出さなければならないと苦しむ音(二階堂ふみ)の姿が描かれた。

 物語前半は、覚悟を決めようとする裕一と「絶対に間違いよ」と現実を受け入れられない音とのシリアスなシーンが続いた。そんな中で登場した東都映画の製作担当・三隅忠人(正名僕蔵)が、2人の間に流れる重たい空気をぐっと押しのけていく。

 海軍航空隊の予科練習生を主題とした映画の主題歌を裕一に書いてもらうべく、古山家を訪れた三隅は「先生にしか、この映画の主題歌を書ける人はおりません!」と熱弁をふるう。三隅は、お茶を用意してくれた音に「あ〜奥様、わざわざすみません」と声をかけたり、映画に対する裕一の反応を見てはいるものの、その勢いはどこか二人を置いてけぼりにしてしまいそうなほど。そんなテンションの高い演技や正名のハキハキとした口ぶりによって、初登場のキャラクターにもかかわらず、強く印象に残る。コメディ要素も印象的で、裕一が申し訳なさそうに召集令状を見せたときの「あっ! なるほど〜」と膝から崩れ落ちる姿はコミカルだった。

 

 どうしても裕一に曲を書いてほしい三隅は、軍に確認をとり、裕一の召集解除を働きかける。覚悟を決めていた裕一はその複雑な心境から表情をくもらせていたが、一方の三隅は「軍としては、これからも国民を鼓舞する曲を期待するとのことですか。フフッ」と嬉しそうだ。裕一が召集解除されることに少し安心した表情を見せた音と眉間にシワを寄せ考え込む裕一の表情、そして「先生、これで映画の方に全力投球お願いしますね! ねっ!」と念を押す三隅の姿が、戦争に対する人々の思惑を感じさせる。

 ネット上では、7年越しに結ばれた五郎(岡部大)と梅(森七菜)の話題で盛り上がっていた。岩城(吉原光夫)の試験に臨む五郎は、裕一からのアドバイスを思い出し、頭の中で「船頭可愛いや」を流し始める。好きな音楽で心を落ち着けながら試験に臨むその表情は凛々しい。岡部の集中した表情と、ようやく梅と結ばれ泣きべそをかく表情のギャップはとても魅力的だった。そして、梅演じる森のピュアな笑顔や厳しい顔つきが多い岩城が見せた笑顔、彼らを見つめる光子(薬師丸ひろ子)の優しい眼差しは、戦時中の苦しい物語を見つめる視聴者に癒やしを与えていた。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)~11月28日(土)予定(全120回)
※9月14日(月)より放送再開
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、中村蒼、山崎育三郎、森七菜、岡部大、薬師丸ひろ子ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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