『エール』放送再開を前に制作統括に聞く 「観ていただけることは本当に幸せなこと」

『エール』放送再開を前に制作統括に聞く

 9月14日より放送が再開されるNHK連続テレビ小説『エール』。新型コロナウイルスの感染拡大により、撮影のストップを余儀なくされ、放送は一時休止、初回から再放送の異例の事態となった。最終回を迎えても翌週には新たな作品が始まり、年末年始を除けばほぼ毎日のように観ることができる“朝ドラ”。世界各国を見渡してもこんなドラマ枠はないだろう。だからこそ、当たり前のようにあった“習慣”が崩れてしまったときの衝撃は大きかった。

 登場人物(出演者)たちの副音声解説の面白さ、2回目だから気付ける細かい背景など、休止期間だからこその『エール』の楽しみ方はあった。しかし、多くの視聴者が一刻も早く新たな物語を観たいと思っていたのは間違いないだろう。いよいよ放送が再開される『エール』はわたしたちにどんな“エール”を届けてくれるのか。朝ドラの意義、そして『エール』後半戦の見どころまで、制作統括の土屋勝裕氏が語ってくれた。

「“朝ドラ”を毎日放送すること、製作することができることを“当たり前”だと思っていましたが、本当にそれは幸せなことだったんだなと実感しました。私たちの仕事は作品を作って皆様に届けることです。だから、休止期間中は私たちは存在していないのと一緒で。緊急事態宣言中は撮影の再開できなくなることも覚悟していました。だからこそ、キャストの皆さんをはじめ、スタッフ全員の協力があり、こうして再開をすることができること、皆さんに観ていただけることは本当に幸せなことだなと感じています。とにかく今できることを番組関係者全員で取り組んでいるところです」

 撮影がストップしたのは『エール』の放送が始まった4月頭。出演者、スタッフは視聴者の反響を顔をあわせて共有することができずに、2月のブランクを経ての再会となった。

「放送の反響をキャスト・スタッフと話し合いながら新たな撮影に臨んでいくのがこれまでの形でしたが、今回はちょうど自粛期間だったこともあり、それがほとんどできませんでした。だから2カ月ぶりに顔を合わせることができたときは今までにない喜びがありましたね。丸々2カ月のブランクがあったので、キャストの皆さんがすぐに役に戻れるか不安なところもありましたが、窪田さん、二階堂さんを中心に皆さん流石のお芝居で。感染対策を徹底しているので、かつてと同じペースでの撮影は難しいですが、収録再開後は順調に進んでいます」 

 放送再開週となる第14週では、裕一(窪田正孝)に弟子入りする五郎(岡部大)、作家として歩み始めた梅(森七菜)が物語の中心になる。

「五郎は、“純朴”という言葉を体現したようなキャラクターです。また、梅と恋に落ちるキャラクターとして、“まさかこんな人が?”というギャップが出せればいいなと考えていました。岡部さんは俳優としての力量は未知数なところはあったのですが、簡単なオーディションをさせていただいたところ、五郎さんにしか見えずその場で即決いたしました。現場でもまさに五郎そのものでしたね。また、第14週は梅を演じる森さんが非常に魅力的に映っています。森さん自身はとても気さくな方で、現場では妹のようにスタッフ、出演者に可愛がられています。梅のツンデレな魅力を堪能していただけたらと思います」

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