『MIU404』終盤戦に向けておさらい 「エトリ」の正体など未だ隠された謎の数々
綾野剛と星野源がW主演を務める金曜ドラマ『MIU404』(TBS系)。毎話解決される事件の裏側で、菅田将暉演じる謎の男の正体や、逃走中の裏カジノオーナー「エトリ」の存在など、物語を通して描かれるいくつかの謎や事件の伏線が、後半に向けてどう繋がってくるのか。終盤に向けての展開を考察してみたい。
『MIU404』は、「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」(以下4機捜)を舞台に、機動力と運動神経が高いが、刑事の常識にも欠ける伊吹藍(綾野剛)と、常に先回り思考で道理を見極める志摩一未(星野源)が、全く性格の違う破天荒な“機捜バディ”を組み、勤務は24時間制という制限のなかで、誰よりも早く、犯人を追っていく刑事ドラマ。
まず、4機捜がなぜ作られたのか。4機捜の隊長である桔梗ゆづる(麻生久美子)は、女性初となる第1機動捜査隊の隊長に任官し、3部制だった機捜に、ヘルプのために4機捜を立ち上げる。ただそれはおそらく表向きの話。
4機捜において欠かせないのが、鍵となる裏カジノ経営者「エトリ」と、羽野麦(黒川智花)通称ハムちゃんの関係。羽野は、エトリ逮捕を条件に裏カジノの情報を警察に提供。しかし警察がエトリを取り逃がしたことで、羽野は報復の対象となり、責任を感じた桔梗が現在家で匿っている。10億円規模の裏カジノの客には上場企業の役員や永田町方面の官僚もいたことから、警察がエトリを逃したのは意図的なものだと想像でき、自由に暗躍できる特殊部隊の4機捜が立ち上げられたと思われる。4機捜は不正と距離を置いた唯一の組織なのだ。
第7話では盗聴器が桔梗の家から見つかったが、そもそも羽野が狙われているのも、警察内部の人間のリークだろう。むしろ警察内部に羽野を消したい存在がいることが想像できる。別の見解だと、羽野が今でもエトリと繋がりがあり、その情報を盗聴するためというのも否定できない。第7話で伊吹に見せた表情から察するに、羽野がまだ何かを隠しているのは明白だ。
一方、桔梗の行動を把握するための盗聴の可能性も。桔梗には、元々飲食店経営者の夫がいたが、事故で亡くなり、一人息子のゆたかを産み育てているシングルマザー。その過去を知る志摩と陣馬が4機捜メンバーに語るのだが、何かオブラートに包んだような言い方だったのも気になるところだ。