石井裕也監督作『生きちゃった』、第42回PFFオープニング作品に決定 仲野太賀、若葉竜也も登壇

 第42回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)のオープニング作品が、石井裕也監督最新作『生きちゃった』に決定。あわせて第25回PFFスカラシップ作品『猫と塩、または砂糖』の上映も決定した。

『生きちゃった』(c)B2B, A LOVE SUPREME & COPYRIGHT @HEAVEN PICTURES All Rights Reserved

 ぴあフィルムフェスティバルは、「新しい才能の発見と育成」「映画の新しい環境づくり」をテーマに開催されている映画祭。本年は新型コロナウイルスの感染予防に配慮しながら、9月12日より開催される。

 ぴあフィルムフェスティバルのメインプログラムである自主映画のコンペティション・PFFアワード2007『剥き出しにっぽん』でグランプリを受賞し、第19回PFFスカラシップの権利を獲得し制作された『川の底からこんにちは』で第53回ブルーリボン賞監督賞、『舟を編む』(2013年)で、第37回日本アカデミー賞最優秀監督賞を史上最年少で受賞した石井監督。自身がプロデュースした最新作『生きちゃった』は、アジアの俊英が集う国際プロジェクト「B2B(Back to Basics) A LoveSupreme(原点回帰。至上の愛)」の1作となる。本作は、第42回PFFで世界最速上映を実施。上映後には、石井監督、出演の仲野太賀、若葉竜也ほか、キャストたちによるトークが予定されている。

 あわせて、第25回PFFスカラシップ作品『猫と塩、または砂糖』も上映される。リアルな家族関係をシニカル且つコミカルに描いた『食卓』で、「PFFアワード2016」グランプリを獲得し、バンクーバー国際映画祭に正式出品された新星・小松孝が監督を務める。上映は、9月24日。上映前に、小松監督、出演の田村健太郎、宮崎美子、吉田凜音、諏訪太朗が登壇する舞台挨拶を予定している。

コメント

石井裕也監督

コロナはもちろんですが、仮にコロナがなくても大変な世の中です。困ったり悩んだりしたら原点に立ち返る必要があると思うのですが、僕にとっての原点は自主映画でありPFFです。映画を愛するPFFファンの皆さんと共に、これからの映画や生き方について真面目に改めて考えるきっかけにするために、新作の世界初上映をPFFでやってもらうことにしました。この場所でなら、きっと映画についての本当の話ができると思うからです。
『生きちゃった』は、衝動と魂だけで撮ったほとんど自主映画のような映画です。僕にとっての原点回帰の映画だからこそ、PFFで上映できることに深い意義と喜びを感じています。ですがそれ以上に、若い作り手たちの情熱と観客の方々のために、無事に映画祭が開催されることを心から願っています。

小松孝監督

折しもこのコロナ禍の中、『経済と人命が同じ天秤にある』という『常識』の一面にハッとした方も多いのではないでしょうか。そんな理不尽で窮屈な社会にはうんざりだという価値観の主人公・一郎を中心に、幸か不幸か『常識』から逸脱した2家族5人の『幸せのベクトル探し』の模様を、悲哀とユーモアを込めて描きました。
とても素晴らしいキャスト陣に恵まれて、魅力的に立ち上がった登場人物達。そして、多肉植物や小物ガジェットや主題歌を担当してくれた『NILKLY』など、僕の好きなものを詰め込んだ一軒家を、ぜひ覗き見て頂けたら幸いです。

『猫と塩、または砂糖』(c)PFF パートナーズ=ぴあ、ホリプロ、日活/一般社団法人 PFF

■開催情報
映画祭「第42回ぴあフィルムフェスティバル」開催概要
9月12日(土)から26日(土)まで※月曜休館
8月15日(土)よりチケットぴあにて発売開始
会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋 3-7-6)
公式サイト:https://pff.jp

『生きちゃった』
脚本・監督・プロデューサー:石井裕也
出演:仲野太賀、大島優子、若葉竜也
(c)B2B, A LOVE SUPREME & COPYRIGHT @HEAVEN PICTURES All Rights Reserved

『猫と塩、または砂糖』
監督・脚本:小松孝
出演:田村健太郎、宮崎美子、吉田凜音、池田成志、諏訪太朗
(c)PFF パートナーズ=ぴあ、ホリプロ、日活/一般社団法人 PFF

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