中島健人×平野紫耀、それぞれの正義とは 『未満警察』後半戦への大きなターニングポイントに

『未満警察』第6話はターニングポイントに

 快(中島健人)と次郎(平野紫耀)の出会いから始まり、原作映画を2話に渡って完全リメイクしたエピソードを経て、快と次郎それぞれのキャラクター性に迫ってきたこれまでの日本テレビ系列土曜ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』。8月1日に放送された第6話からは“逆襲篇”と銘打たれた新たな展開が幕を開ける。及川(吉瀬美智子)や片野坂(伊勢谷友介)、柳田(原田泰造)といった、主人公たちを取り巻く人物たちの過去に触れるこのエピソードは、本ドラマにおける大きなターニングポイントといえるものになるものかもしれない。

 9年前に起きた連続殺人事件とまったく同じ手口の殺人事件が起きる。しかし9年前に起きた事件の犯人で“スコップ男”と呼ばれた天満暁生(佐戸井けん太)はすでに逮捕されており、死刑判決を受けて収監されていた。ニュースでその事件を見た快は、天満が冤罪ではないかと考え、同期の仲間たちと授業の一環の模擬捜査として事件を調べ直すことに。そんな折、銃を持った男・智也(柿澤勇人)が及川を訪ねてやってくる。智也が資料閲覧室で及川に銃を向けている姿を目撃した快と次郎は助けるために飛び込んでいくのだが、そこに智也の姉である直子(長谷川京子)が現れ、3人は人質として捕らえられてしまう。

 籠城した2人組は“スコップ男”の子供であり、父の無実を信じる彼らは9年前に事件があった日のアリバイを証明できる及川に真実を話してほしいと頼み込む。政治家の娘や捜査中の警察官が殺された事件とあって、当時警察は犯人を挙げることに固執し、2件目の被害者の夫である天満を逮捕。無実を主張する天満を犯人としてでっち上げるために隠蔽工作を行い、及川にも口止めをしていたというわけだ。つまり警察組織による隠蔽体質、自白の強要によって生まれた冤罪という、警察ドラマというジャンルにおいてお馴染みの題材と呼べるものである。

 その大きな組織の闇に、警察“未満”である快と次郎がどのように向き合うか。これは2人の正義感が試される重要な出来事となるのは間違いない。それでも自分が志す警察が隠蔽を行なったとにわかには信じられない次郎はこう呟く。「わからないから真実を明らかにしたいと思った」。その実直さこそが、次郎を突き動かす正義感そのものであろう。一方で片野坂は、この籠城事件すらも隠蔽しようとする警視正の国枝(木下ほうか)と衝突する。9年前の事件がきっかけで現場から外されて警察学校の教官になった過去も描かれ、第3話での柳田との会話の中にあった“あの件”とここでしっかりと結びつくわけだ。

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