『MIU404』麻生久美子はワケあり4機捜の“頼れる母親”? 物語に厚みを加える稀有な存在感

『MIU404』麻生久美子はワケあり4機捜の“頼れる母親”? 物語に厚みを加える稀有な存在感

 綾野剛と星野源がW主演を務める金曜ドラマ『MIU404』(TBS系)で、女性初の機捜隊長を演じる、女優・麻生久美子。曲者だらけの第4機動捜査隊のまとめ役として、ときに厳しく、ときに優しく、魅力的な隊長を演じている。そこで今回は、麻生のこれまでの作品を振り返り、『MIU404』での魅力や、徐々に真相が見えてきたストーリーの裏側についても触れてみたい。

 コメディからシリアスまで、様々な役が演じられる麻生。デビュー当初は、巨匠・今村昌平監督の映画『カンゾー先生』(1998年)や、黒沢清監督の『回路』(2001年)など名だたる作品に出演してきた。当時の麻生は、どこか達観したような、アンニュイで冷静な演技が魅力で、ハリウッドやテレビ資本の映画にはない、ミニシアター系の邦画独特の雰囲気と絶妙にマッチしていたように思う。

 映画を中心に活動してきた麻生のターニングポイントなった作品が、2006年の連続ドラマ初主演作の『時効警察』(テレビ朝日系)。交通課の三日月しずか役を演じ、オダギリジョー演じる霧山修一朗との掛け合いや、独特の小ボケ連発の演出、そして何より、霧山に好意を持ち、頑張る乙女の姿がとにかくキュートで、お下げ髪でお転婆なところも、これまでの硬派な麻生にはなかったキャラクターだ。「ふっきれたんですね。自分の限界を決めていたところがあったけど、まだまだできることがあるし、学べることもたくさんあると」(個性あるんですかね? 私 麻生久美子さん|朝日新聞デジタル「Woman’s Talk」2016.01.12)と麻生自身が語るように、今作でコメディエンヌとしての殻を破ったことで、明るいイメージが浸透。ドラマ出演でより知名度を拡大し、「彼女がいることで物語が際立ち、厚みがでる」と思わせる不思議な魅力を持った女優として、現在に至るまであらゆる作品で重宝されている。

 『MIU404』は、警視庁の架空の設定の臨時部隊「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」を舞台に、機動力と運動神経が高いが、刑事の常識に欠ける伊吹藍(綾野剛)と、常に先回り思考で道理を見極める志摩一未(星野源)が、全く性格の違う破天荒な“機捜バディ”を組み、勤務は24時間制という制限のなかで、誰よりも早く、犯人を追っていく。

 麻生演じる桔梗ゆづるは、捜警察署長を経て女性初となる第1機動捜査隊(以下機捜)の隊長で、3部制だった機捜に、ヘルプのために4機捜を立ち上げ、兼任隊長となった。何かがあればしっかりと叱り、事件解決のためならちょっとした無茶でも受け入れる懐の深さ。まるで4機捜というヤンチャな家族の母親のような、頼れる隊長を麻生は演じている。

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