『MIU404』を盛り上げるゲストたちの熱演 これからの活躍が期待される俳優の見本市的な側面も?

『MIU404』を盛り上げるゲストたちの熱演 これからの活躍が期待される俳優の見本市的な側面も?

 コロナ禍にあって新たに金曜ドラマの顔となった『MIU404』(TBS系)が前評判以上の話題をさらっている。それもそのはず、大ヒットドラマ『アンナチュラル』(TBS系)と同じく脚本家・野木亜紀子作品、制作陣も同じ座組だ。社会風刺的描写が随所に織り込まれ、ドキュメンタリー要素も非常に色濃いながら、エンタメ作品として見事成立している。『アンナチュラル』では死人の声なき声を、本作では犯罪者や道を踏み外してしまった者たちの本音を救い上げ、少数派の弱者の声を代弁している。

 綾野剛×星野源のW主演に加えて、第3話での菅田将暉の登場が(またその登場シーンが一瞬で、第4話では一切出演がなかったことも)大きな話題を呼んでいるが、毎話ごとのゲスト出演者にも目が離せない。

 特にこの第3話は、高校の陸上部が舞台になっていただけあって、今後さらなる活躍が注目される若手キャストたちの配役が目白押しとなった。元陸上部員で、期待のエースだっただけに理不尽な廃部に追い込まれたことに憤りを覚える成川を演じたのは鈴鹿央士。彼のデビューのきっかけは何と広瀬すずの後押し。通学していた高校で映画『先生!、、、好きになってもいいですか?』のロケが行われ、たまたまエキストラとして参加したところ彼女の目に留まったのだと言うから驚きだ。大学入学を機に上京した彼は、その後NHK連続テレビ小説『なつぞら』で恩人・広瀬すずとも共演を果たしている。また、見事オーディションで勝ち取った天才ピアニスト役で初出演した映画『蜜蜂と遠雷』にて一躍有名になった、まさにシンデレラボーイである。

 成川と同じチームメイトの元陸上部員・勝俣役を演じたのは前田旺志郎。幼少期には兄弟漫才「まえだまえだ」の弟、ボケ担当としてお茶の間に親しまれていた彼が、いつのまにやら声変わりもして、マネージャーだった真木カホリ(山田杏奈)に恋心を寄せる高校生役を演じているのだから、時の流れの速さを感じずにはいられない。鈴鹿の持つ硬派さ、隠し切れない優等生ぶりが、大人の都合によって自分たちの青春の舞台を奪われてしまった青年たちのやり場のない無念さを際立たせ、また前田の素朴さと無邪気さが、持て余したエネルギーの発散のためにゲーム感覚で行われるイタズラ通報の裏にある悲痛さ、少年らの見過ごされてきてしまった切実なSOSサインを印象付けるのだ。山田杏奈は前田旺志と同じく19歳。昨年2019年はヒロイン役を務めた映画『5億円のじんせい』『小さな恋のうた』の上映が相次ぐ注目若手女優だ。『小さな恋のうた』で轟かせた透き通った美声も記憶に新しい。極め付けに彼女をさらう犯人役にはシンガーソングライターの岡崎体育と意外性がありつつも絶妙と言うしかない配役っぷりを見せた。

 『アンナチュラル』でも第7話「殺人遊戯」に神尾楓樹と望月歩が出演し、いじめによる自殺というセンセーショナルな題材とともに注目を集めた(この2人はその後『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)でも同じクラスメイトとして出演している)。

 さらに第3話でこの事件の対応に追われるのが『アンナチュラル』と同じく西武蔵野署の毛利刑事(大倉孝二)とその部下・向島(吉田ウーロン太)。こんな粋な仕掛けによって2作品が繋がっていたことに興奮したファンも多かったのではないだろうか。野木作品と言えば、1話完結型ながら本題の部分は作中を通してずっと進行しており、その伏線回収が見ものだが、これだけの要素を60分に詰め込めるのは流石としか言いようがない。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

音楽記事ピックアップ