『ギルティ』で強みを活かしたミステリアスな芝居 神尾楓珠の危うげな魅力
幸せな結婚生活のはずが夫は浮気、周りの人間にも次々と裏切られ地獄に落とされる。男女の恋とドロドロを描くラブサスペンスドラマ『ギルティ〜この恋は罪ですか?〜』(読売テレビ・日本テレビ系、以下『ギルティ』)が佳境を迎えている。
夫の一真(小池徹平)からも友人の瑠衣(中村ゆりか)からも裏切られる主人公の爽 (新川優愛)だが、ここにきて優しかったはずの大学生アルバイト・睦月(神尾楓珠)にまで陥れられてしまった。そして第6話では、彼の驚くべき正体も明らかに。この睦月を演じるのが今、新進気鋭の若手俳優の中でも一目置かれている神尾楓珠だ。
2015年の24時間テレビドラマスペシャル『母さん、俺は大丈夫』(日本テレビ系)で俳優デビューした神尾は、その後『シグナル 長期未解決事件捜査班』(カンテレ・フジテレビ系)や『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系、以下『3年A組』)でキャリアを積み、2019年には『左ききのエレン』(MBS・TBS系)で連続テレビドラマ初主演を勝ち取った。
雑誌『Popteen』(角川春樹事務所)では度々モデルとしても出演しており、Popteen公式YouTubeチャンネルではその撮影風景も公開されている。さらに『月とオオカミちゃんには騙されない』(AbemaTV)ではスタジオゲストとして登場し、メンバーの恋愛模様を見守った。このように、俳優としてだけではなくタレントやモデルなど多岐にわたって活躍する神尾は、特に女子高生や女子大生からの支持が熱い。雑誌『ViVi』(講談社)の人気企画「国宝級イケメンランキング」の中でネクストブレイクを予想する「NEXT国宝級イケメンランキング 2020年上半期」(2020年7月号)では見事1位を獲得し、改めて勢いの加速する様子を見せた。
そんな神尾にとってのターニングポイントとなった作品は『恋のツキ』(テレビ東京系)。神尾は本作について、過去のインタビュー(参考:神尾楓珠「うまくできなかったらこの先はない、強い覚悟で挑んだ“原点”」|映画ナタリー)で、初めてのベッドシーンに苦戦したことや、同世代がいない作品で精神的にも体力的にも苦労したことを明かした。だが、神尾は本作をきっかけに芝居の楽しさを知ることになる。「これでうまくできなかったら、この先ないなと思った」と語る神尾にとって、『恋のツキ』は役者として大きく前進した作品だっただろう。実際にこの作品の後からは『3年A組』、『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.0』(日本テレビ系)など話題作への出演が続き、『左ききのエレン』での主演と、潔いほど順調にキャリアを駆け上がった。