「笠松将、映画を描く」第1回『トイ・ストーリー3』 「チームで作品を作れる人間になりたい」

笠松将が綴る『トイ・ストーリー3』

 映画・ドラマに活躍の場を広げ続ける俳優・笠松将。2020年はヒップホップ界のレジェンド・SEEDAによる名盤『花と雨』を原案とした同名映画で主演を務め、圧倒的な存在感を放つ。妥協なき役者道への思いは、2019年5月に行ったインタビュー(笠松将、初めて明かす“役者”への思い 「1番になるまでは絶対にやめられない」)でも語ってくれたが、その際に意外な特技として明かしてくれたのが、“絵を描くこと”。笠松将が映画を通して、何を思い、何を考えたのか。オリジナルイラストと共に彼の深層に迫っていく(編集部)。

 第1回。初めてコラムを書かせてもらいます。芝居以外のことに挑戦できるのは嬉しいです。

 僕の俳優としての「映画の見方」と、子供の頃から夢見てきた「絵の表現」で、取り上げる作品と僕自身の理解を発信できる場所になればと思います。

 今回取り上げる作品は、2010年に公開され、先日テレビ放送もされた『トイ・ストーリー3』。

 よく知られる人気作でシリーズは4作品も続いています。アニメーション作品ではありますが、登場するキャラクター、ひとりひとりがまるで“役者”のようです。なので、本コラムでは彼らに敬意を送り、実在の“役者”として語らせていただきます。

 シリーズが続くと制作チームも出来上がっており、ゲストの演者は溶け込むのが大変な時もあるのではないかと思いますが、ロッツォ・ハグベア氏のパフォーマンスは特に素晴らしかったと思います。

 僕自身もヒールを演じる機会は多いですが、注目したいのは「可愛らしいヴィジュアル」と「暗い過去」による二面性です。ヴィジュアルと芝居でフリとオチをしっかり作り、自身の過去のエピソードによりただの悪者では終わらせない。キャラクターの魅力が一気に深まる役作りと、これまでのイメージを払拭する振り切った芝居に勇気すらもらいました。普段は愛され役を演じることの多い俳優さんです。ロッツォ・ハグベア氏の次回作すら楽しみにさせるものでした。

 劇中では敵対する関係でしたが、カットがかかれば皆で集まり、作品をより良いものにする為、話し合いを繰り返していたのではないかと思います。今シリーズ主演のウッディ・プライド氏も、ロッツォ・ハグベア氏を信頼し良い関係で作品を完成させることが出来たと。

 1人の俳優として、物語の「内と外」を理解した上で、チームで作品を作れる人間になりたいと思わせられました。

 素晴らしい作品の感想を書かせていただいたことに感謝します。読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。

 最近は、自炊が楽しいです。ネットで動画配信を見たり。外に散歩に出ることもあります。今できることを一生懸命やれたらいいと思います。ポップな感じでいきましょ。

笠松将 自画像

■笠松将
1992年11月4日生。愛知県出身。主な出演作に映画『花と雨』『転がるビー玉』『ラ』『おいしい家族』『デイアンドナイト』、ドラマ『平成物語 なんでもないけれど、かけがえのない瞬間』(フジテレビ系)、『FOLLOWERS』(Netflix)など。

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