竹野内豊の魅力は“受容力”にあり “分岐点”となった『ビーチボーイズ』から『素敵な選TAXI』まで

竹野内豊の魅力は“受容力”にあり “分岐点”となった『ビーチボーイズ』から『素敵な選TAXI』まで

「人生は分岐点の連続である」

 もし、目の前に過去に戻れるタクシーが現れたら、自分はどこに運んでもらうだろう……。そんな小さな想像とともに見入ってしまうのが、現在再放送中のドラマ『素敵な選TAXI』(カンテレ・フジテレビ系)だ。

 本作で乗客の時間を戻す“選TAXI”のドライバー、枝分(えだわかれ)を演じているのが竹野内豊。なんともいえない存在感とシブい声とで主役とストーリーテラーのふたつの役割を担っている。

 今回は俳優・竹野内豊の“分岐点”を探りつつ、さまざまなキャラクターでドラマに出演し続ける彼の魅力について語っていきたい。

 男性ファッション誌のモデルとして活躍していた竹野内の俳優デビューは1994年の『ボクの就職』(TBS系)。翌95年に龍居由佳里脚本の『星の金貨』(日本テレビ系)、96年には最高視聴率36.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を叩き出し、社会現象ともなった『ロングバケーション』(フジテレビ系)で南(山口智子)の弟・葉山真二を演じ、ドラマ界のメインストリームへと躍り出る。

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 そんな彼の大きな“分岐点”のひとつが、1997年の反町隆史とのW主演作・月9『ビーチボーイズ』(フジテレビ系)だろう。能天気なお調子者・桜井広海(反町隆史)と大手商社からドロップアウトした冷静沈着な秀才・鈴木海都(竹野内豊)が繰り広げるひと夏の物語で、竹野内は俳優としてのキャリアにひとつの道筋をつける。

 竹野内豊の大きな魅力がその「受容力」ではないだろうか。

 『ビーチボーイズ』で自ら進んで状況を動かすのは反町演じる広海で、海都はそれに巻き込まれながら自分の居場所を見つけていくキャラクター。この関係性がドラマとしておもしろく成立したのは、竹野内の「受け」の演技がしっかりしているからこそ。

 夏のドラマは数字が取れないと言われる中で、『ビーチボーイズ』は視聴率的にも大当たりとなり、それまで「恋愛ドラマ」メインで製作されてきた月9に「友情&バディもの」という新しい風を吹き込んだ。

 「恋愛ドラマ」でも竹野内が演じる役のバリエーションは幅広い。『WITH LOVE』(フジテレビ系)では、身分を偽り顔も知らない相手とメール交換するCM作曲家、『できちゃった結婚』(フジテレビ系)では彼女とクセの強い家族や友人に振り回されるビジネスマン、『流れ星』(フジテレビ系)では妹の臓器移植のために偽装結婚をする水族館の飼育員etc……と、その性格やキャラクターもさまざまである。

 モデル出身、数々のヒットドラマで主演というと、役柄が固定化するプレイヤーも多い中、つねに新しい顔を魅せ続ける竹野内の存在は稀有だと思う。『ヤンキー母校に帰る』(TBS系)で熱量たっぷりの教師を演じた直後に『流転の王妃・最後の皇弟』(テレビ朝日系)で悲劇の人、愛新覚羅溥傑を演じるふり幅。俳優だから……と言ってしまえばそれまでだが、「竹野内豊がこれまで演じてきたキャラクターを一言でいうと?」という問いに即答できる人は非常に少ないはずだ。

 また、助演としての“分岐点”で最初に浮かぶのは、2009年と2011年に天海祐希主演でドラマ化された『BOSS』(フジテレビ系)の野立信次郎役だろうか。天海演じる絵里子が率いる特別犯罪対策室を時に支え、時に利用するエリート警視・野立は、軽いタッチで現れつつ(合コンでの野立会ネタは鉄板!)、締めるところはがっちり締める大人の役どころ。ルックスの良さに加え、コメディタッチの芝居がとても印象的だった。

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