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竹野内豊×C・ケイト・フォックス、実在の人物を見事に表現 『いだてん』が描いた夫婦愛の形

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 オリンピック開催地であるストックホルムへ向かう金栗四三(中村勘九郎)らの道中が描かれた大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)第9話。四三と弥彦(生田斗真)の監督として同行する大森兵蔵(竹野内豊)と安仁子(シャーロット・ケイト・フォックス)の強い夫婦愛が伝わる回となった。

 四三と弥彦は、新橋駅を出てストックホルムに向け旅立つ。ストックホルムまでは、ウラジオストクやハルビンを経由し、述べ17日間の旅である。四三はそこで監督の兵蔵と安仁子のハネムーンのような態度や外国人の横柄さを目にすることになり、不安を募らせる。

 日本人選手団の監督として同行している兵蔵は、アメリカへの留学経験があり、日本にバレーボールとバスケットボールを持ち込んだパイオニアとされている。物腰の柔らかい男性ではあるが、“キザな男”に映ってしまうため、四三らとともにストックホルムへ向かいたがっていた可児(古舘寛治)や永井(杉本哲太)からはやっかまれている。

 竹野内豊は、可児らにやっかまれても、外国人の横暴な態度に触れても決して動じない、終始穏やかな兵蔵を演じている。シベリア鉄道の長い旅路の中、四三や弥彦が慣れない環境や不安になるような出来事に戸惑おうとも、兵蔵の物腰は柔らかいままだ。

 兵蔵の表情は、感情が表に出やすい四三や弥彦とは違い、あまり豊かではない。どちらかといえば、何を考え、何を思っているのかが伝わりにくいキャラクターである。しかし竹野内が表情豊かに兵蔵の感情を表さないことには理由があったと気づかされる。中盤、妻・安仁子の口から、兵蔵は肺を患っておりもう長くはないということが明かされる。兵蔵はそんな体でありながら、日本にスポーツを浸透させる一心で監督に名乗り出たのだ。道中、兵蔵の体調は悪化する。

 だが、兵蔵は自身の病気について語ることはない。妻・安仁子への深い愛情と、日本のオリンピック初出場への強い思い。その2つの思い以外を阻む自身の病気については口にせず、表情にも表そうとしないのだ。決して表情豊かなキャラクターではなくとも、兵蔵の強い信念は伝わってくる。

 兵蔵を支える妻・安仁子は、夫とは対照的に感情をあらわにすることが多い。初登場時から特徴的な高笑いと強気な発言で、兵蔵と同じく可児や永井からやっかまれる存在だった。しかし兵蔵の強い信念を横で見守り続けてきたからこそ、強気な態度を崩さず、四三や弥彦にテーブルマナーや英語を厳しく指導し続けたのだろう。

      

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