齋藤飛鳥×山下美月×梅澤美波が三者三様の魅力を発揮 『映像研』でのチームワークの良さ

乃木坂トリオ、『映像研』で発揮する調和

 人気アイドルグループ・乃木坂46の齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波の3人の共演で話題の、大童澄瞳氏の人気コミックの実写版『映像研には手を出すな!』(以下、映像研)。先週ドラマ版の第1話が放送され、齋藤演じる浅草氏の可愛さや、深夜ドラマとは思えないVFXの素晴らしさに多くの反響を呼んでいるが、その面白さを引き出しているのは、乃木坂トリオのチームワークの良さ。第1話を通して、それぞれが十二分に発揮した3人の魅力を考察したい。

 第1話の放送で、何と言っても驚かされたのが、これまでのイメージを断ち切った全く新しい齋藤飛鳥の演技。これまで齋藤が演じてきたキャラクターは、乃木坂での自然体キャラの延長線上にある、クールビューティーな齋藤そのままの味を活かした役柄が多かった。しかし、今回演じる浅草みどりは、アニメ好きで人並みはずれた想像力を持ち、極度の人見知りという役柄で、今まで“ドS”のイメージがあった齋藤が、小動物のようにオドオドしていて、喋り方はべらんめえ口調、まるでアニメのおじゃる丸のように、語尾に「〜じゃよ」がつくなどファンからしてもかなり新鮮だ。

 そうした特徴的なキャラクターに加えて、自分の好きなもの=アニメに対し、興奮してマシンガントークになる台詞回しの多さと速さも、今まで齋藤のイメージにはない演出だ。そして想像の世界を創造するときの、嬉しさが心の底から溢れ出す喜びとキラキラした目。このオタク特有の2つのギャップが浅草の魅力であることを理解し、普段の自分とは違う人格を演じきる齋藤の役の入れ込みように目を惹かれる。ただでさえ原作とアニメがあるだけにどうしても比較される難しさはある中、決してコピーにはならずに齋藤なりの浅草像をしっかりと築いているのだ。第2話では、これまたいつもの齋藤の姿からは想像がつかない、体を張ったシーンがあるようなので注目したい。

 山下美月演じる映像研メンバー・水崎ツバメは、実家はお金持ちでカリスマ読者モデルとして活躍し、校内でも有名人。アニメ好きでアニメーター志望だが、両親が俳優でツバメにも女優になることを期待されアニメ研入部を反対される中、志が同じ浅草と意気投合する。乃木坂3期生である山下は、『神酒クリニックで乾杯を』(BSテレ東)のヒロインの看護師や、『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』(テレビ東京系)で主演を務めるなど、確かな演技力で乃木坂の中でも女優枠として期待されている1人。

 今回演じるツバメ役は、表向きはこれまでの山下のイメージ通りだが、ただアニメに関しては、感情や行動がストレートで、アニメに対する情熱や、妄想を創造をするときの好奇心あふれる目は浅草と一緒なのが面白い。第1話では頬を膨らませる可愛いリアクション、浅草と無邪気にはしゃぐなどコメディ要素の高い演技や、橋から川に飛び込む体当たりのシーンなどを披露し、今まで見せてこなかった山下の魅力がツバメ役として発揮されており、ある意味本作で最も飛躍するのは彼女かもしれない。

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