小芝風花、『美食探偵』で“高級食材”中村倫也をどう活かす? 等身大のコメディエンヌに期待
本日4月12日からスタートする日本テレビ系新日曜ドラマ『美食探偵 明智五郎』でヒロインを演じる小芝風花。清純派女優として数々の作品に出演し、今やコメディエンヌとしても評価の高い小芝。今作の主演である中村倫也とのかけ合いも大きな注目だ。そこで今回は小芝のキャリアを追いながら、本作での新たな活躍への期待を書いてみたい。
小芝風花は、2012年にオスカーの先輩・武井咲の妹役として『息もできない夏』(フジテレビ系)でデビュー。そして世間の注目を集めたのが、2015年の映画『魔女の宅急便』でのキキ役。映画初主演というだけでもプレッシャーなのに、国民的大人気キャラを演じるというハードルを前に、小芝の純粋で一生懸命に演じる姿が、キキが一人前の魔女になろうと努力する姿と重なり、多くの観客が小芝の演技に胸を打たれた。
以降も等身大の清純派としてキャリアを積み、2016年のNHK連続テレビ小説『あさが来た』で、ヒロインの白岡あさ(波瑠)の娘・千代役で、役者としてのターニングポイントを迎える。進学をさせたい母親と花嫁修行をしたい娘という対立構造で、出演当初はふくれっ面で常に母親に反抗的な態度を演じ、視聴者から多くのバッシングを受けたという。それは、それだけ視聴者が小芝が演じる千代に注目していた証拠だろう。しかし小芝は、当時のブログで、想像以上のバッシングの嵐によって、嫌われることが怖くなったと明かしている。そんなときに、マネージャーに「風花、千代がブレるだろ!」という言葉にハッとさせられたという。物語の後半では、初恋での心の変化や、危篤状態になった母親へ涙しながら想いを語り、反発していた娘が看病を一生懸命続ける姿が、感動を呼んだ。小芝の飾らない等身大の演技が、子を持つ親たちの心を奪っていったのだ。そうして、『あさが来た』は小芝にとって、役を演じることへの覚悟を学び、知名度だけでなく一女優としての成長を示す作品となった。
ただ、小芝が生まれた1997年組には、杉咲花、飯豊まりえ、桜井日奈子、山本舞香、武田玲奈、唐田えりからがいる。透明感溢れる中に個性が光る役者が多い世代の中で、小芝は真面目なキャラクターを演じることが多かったために、一見地味にも見えたかもしれない。しかし、2017年の中丸雄一主演ドラマ『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系)でのヒロイン役では、極度のコミュ障である主人公を、その明るさとリアクションで引き立て、小芝はコメディエンヌとして開花。昨年放送されたNHKドラマ10『トクサツガガガ』でも、隠れ特撮オタクの主人公・仲村叶役で、まるでチャップリンや渥美清のように、笑いと“特撮オタク”の悲哀を等身大で表現するなど、そのコメディエンヌっぷりは健在。気づけば、漫才師やラッパー、女子アナまで幅広い役柄を演じるオールマイティーな女優になっていた。