齋藤飛鳥の女優としてのターニングポイント? ドラマ『映像研』でイメージと真逆のキャラに
映画『あの頃、君を追いかけた』ではヒロイン、『ザンビ』(日本テレビ)では主演……と演技への道も大きく進んでいる乃木坂46の齋藤飛鳥。『映像研には手を出すな!』(以下、『映像研』)では、ドラマ・映画と両展開で主役に抜擢されており、TBSで4月7日深夜から放送されるドラマ版(MBSでは4月5日から)は、女優・齋藤飛鳥にとってのターニングポイントになりそうな予感だ。
西野七瀬、白石麻衣に次ぐ、乃木坂46のエースとして、アイドル・モデル・女優と幅広く活躍する齋藤飛鳥。乃木坂の1期生として13歳でグループに加入し、青春時代を乃木坂の歴史と共に捧げてきた現在21歳の彼女。唯一無二のアイドルとして人気が高い理由は、ファンに媚びない自然体という、皆が思う理想のアイドル像の概念を覆してきた存在だということ。それはスニッカーズのCMで「お腹が空くと齋藤飛鳥みたいに毒舌になるんだ」とネタになるほど。3月22日に放送された『おしゃれイズム』(日本テレビ系)で、長年番組で共演しているバナナマンの設楽統は「ネガティブで、ダークで、Sっ気がある」、続く日村勇紀は「なのに可愛いっていうことで全部丸く収まる」と評し、乃木坂のキャプテン・秋元真夏は「常に謎めいたイメージ」と齋藤の性格について語っている。着飾らず自然体なのに、ストレートに本音を語らず、素顔を見せないというミステリアスさは、映画黄金期のスター女優に通じるものを感じる。
元々、乃木坂46は劇団志向が強いアイドルグループで、齋藤も数々の舞台を経験し、2016年のドラマ『少女のみる夢』(テレビ朝日系)や、2017年の舞台『あさひなぐ』で主演を務めるなど、着々と女優としての経験を重ねている。齋藤の女優としての特性は、その顔の小さな美少女ぶりが、非日常的な存在であるということ。ドラマ『ザンビ』での、血の惨劇の中で孤軍奮闘する姿や、『乃木坂シネマズ~STORY of 46~ 第1話「鳥、貴族」』のスチームパンクのようなSF的世界観の中でも負けない、その存在感だけでヒロインとしての説得力があり、逆に、17thシングル『インフルエンサー』特典映像の個人PV『飛鳥マウス、街にあらわる』のように、マウスの耳を付けた齋藤がカフェに現れ、日常に齋藤がいることの非現実的感が面白く、そこにいるだけでドラマが成立してしまう魅力は、いくら努力しても誰もができるものはでない天賦の才である。
演技が注目されたのが、2018年の映画『あの頃、君を追いかけた』での早瀬真愛役。山田裕貴演じる水島浩介と、クラスで一番の優等生・真愛が、心は近づいていくのに、肝心なことは最後まで伝えきれず、すれ違い、別の人と結婚していくという、多くの人が経験する青春時代の後悔を見事に描いた甘酸っぱい映画だ。“高嶺の花”が、実は心優しい性格だということが分かってくるところや、本心が読めないところなど、リアルな齋藤のキャラと重なり、全く違和感なく役にハマっていた。山田曰く「小手先の余計な演技はせずに、無駄をそぎ落としたピュアな演技をしているからこそ伝わる部分があるんですよね」(引用:AbemaTIMES 2018.09.30)と齋藤の演技について語っている。あくまでも憶測だが、齋藤は乃木坂の中でもダンスが上手いメンバーで、癖がなく、模範的なダンスをすることでも知られているが、演技もそうした癖や、無駄なことをせず監督の指示通りに演技をすることができる女優なのかも知れない。