日向坂46の“ハッピーオーラ”を体現したドラマ『DASADA』 『Re:Mind』からの変化を探る

『DASADA』に見る日向坂46の現在

 日向坂46のメンバーが総出演する連続ドラマ『DASADA』(日本テレビ)は、今のグループのカラーを分かりやすく表した作品だ。

 2019年2月にけやき坂46から日向坂46へと改名したグループにとって初のテレビドラマとなる本作。2017年10月より放送されていた、けやき坂46主演『Re:Mind』(テレビ東京)と比べると、舞台が密室から開放的な学園に、物語がサスペンスから青春群像劇へと変わっている。

 『Re:Mind』の放送時期は、2期生が初お披露目となり、現在の日向坂46を象徴する“ハッピーオーラ”が徐々に形成され始めていた頃だ。あれから2年余りが過ぎ、改名後の夏に撮影したと思われる『DASADA』は、彼女たちのデビューシングル曲「キュン」や「ドレミソラシド」の延長線上にある鮮やかな雰囲気が強く感じられる。「私たちの青春は、夢であふれている。」というメインビジュアルのキャッチコピーも『DASADA』と日向坂46のグループカラーを結びつけるものだ。

 主演を務めるのは、デビューシングルから絶対的センターとして日向坂46の顔へと躍進した小坂菜緒。「私の性格とは全く違う逆のキャラクター」「すごく明るくていつもテンション100%」という本人の公式コメントの通り、普段コンサートや『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)で見せる小坂のイメージとは異なっている。2期生で同期の丹生明里の明るさを参考にしたという主人公・佐田ゆりあは、「私って可愛いじゃないですか?」が口癖の天然キャラ。『Seventeen』の専属モデルであるとはいえ、ドアップ、カメラ目線がとにかく多く、自他共に認めるその可愛さと振り切った演技は、小坂をよく知るファンこそ、そのギャップに驚かされることだろう。

 2019年11月15日公開の映画『恐怖人形』で主演を務め、2020年6月19日にロードショーとなる田中圭主演の映画『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』にも出演と、女優として引っ張りだこの小坂。彼女の初演技となったのは、「『Re:Mind』Netflixスピンオフ特別編」で登場した少女だった。2期生から唯一『Re:Mind』本編に出演していた渡邉美穂に対して、小坂はこのスピンオフにおいて重要な役を担っており、この頃から渡邉とともに女優として期待がかかっていたことが分かる。その期待に応えるように、女優としての片鱗を見せる小坂へとさらなるオファーがかかっているのは、どんな役柄も柔軟に演じ分けるポテンシャルがあってのものだ。

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