『シロクロ』の今後のキーパーソンに? 白石聖が隠し持つ、“狂気”の覚醒に期待

白石聖、『シロクロ』今後のキーパーソンに?

 現在放送中の日本テレビ系日曜ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(以下シロクロ)で存在感を発揮し始めているのが白石聖だ。演技派として知られ、ゼクシィのCMガールでもある白石は、今最も注目を集めている若手女優の一人でもある。

 かつては広瀬すずや吉岡里帆など、数多くの若手女優が受け継いできた「若手女優の登竜門」として知られるゼクシィCMガール。白石も、それに則り透明感のある清楚なイメージから、数多くのドラマや、CM、MV、ウェブムービーに出演、歴代の女優に負けじとかなりの曲者役者だったりする。

 演技は現場で学んできたという白石は、そのルックスから正統派美少女の役を多く演じてきたが、役者として頭角を現してきたのは2018年の『PRINCE OF LEGEND』の学園の王子たちに言い寄られるモテモテのヒロイン・成瀬果音役。イケメンたちから告白される役は、相当な美貌か演技力がないと反感を買い、物語としても説得力がなくなる難しい立ち位置だが、果音は誰にも媚びず、真っ直ぐで必死に生きる自立した女性であり、その振り切れた演技が王子たちの可愛さをも引き立てることに成功。女性たちが憧れる「逞しいヒロイン像」という新境地の演技が好評を得る。

 ブレイクのきっかけとなった『絶対正義』(フジテレビ系)では、山口紗弥加演じる高規範子の高校時代と娘役を演じたのだが、一言で言えば「狂気の演技」を披露した。瞬きをせず、淡々とした語り口調ながら、その奥底の心情を声のトーンや視線で巧みに表現。その憑依型の演技で、ベテラン女優が多い中一番とも言える存在感を発揮したとも言える。一方、『だから私は推しました』(NHK総合)での地下アイドル・ハナ役では、常に自信なさげにオドオドしているが、必死に自分を変えようと振る舞う地下アイドルに。ぎこちないファンとの接触の仕方や、パフォーマンスの地味な向上も実にリアルで、完璧では面白くない、地下アイドル好きが推したくなる引っかかりぶりを見事に表現している。この両極を幅広く巧みに演じ分けられるのが白石の強みではないか。元々は声優志望でアニメ好きの白石なだけに、二次元的な感情表現やデフォルメされた演技はやりやすいのかも知れない。

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