『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』ファティ・アキン監督がサプライズ登壇 今後の展望から撮影の裏側まで語る

『フリッツ・ホンカ』監督がサプライズ登壇

 1月23日、都内でファティ・アキン監督最新作『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』の一般試写会が開催され、上映後、ファティ・アキン監督がサプライズで登壇しティーチ・インを行った。本作は1970年代ドイツに実在した連続殺人鬼を描いた物語。会場では、鑑賞後にサプライズで登場したアキン監督に大きなざわめきと拍手が起こった。

 アキン監督ははじめに日本語で「ありがとうございます」と挨拶し、その後、英語・ドイツ語を使い挨拶を続けた。MCから本作の着想を得たきっかけを聞かれると「小説(英題:The Golden Glove)が元になっています。私自身も出身であるドイツのハンブルク出身の作家の作品です。この作品が出版されることをニュースで知り、出版の日にすぐにオープンと同時に本屋に駆け込み小説を買いました。午後には半分まで読めたので、すぐに弁護士に電話して映画化権を取得して欲しいと依頼しました。まだ映画化するかまでは決めていませんでしたが、悩んでいる間に取られたくなかったので。映画を作ろうか悩んでいましたが、ちょうどゴールデン・グローブ賞を受賞したタイミングだったので、『The Golden Glove』の作品を作らなければと思ったことが製作の決め手です」と後押しのきっかけを明かした。

 続いてMCから、「主演のヨナス・ダスラーはフリッツ・ホンカの役の年齢より大幅に若いのに、特殊メイクまでして起用した理由はなぜですか?」と質問が飛ぶ。それに対してアキン監督は「ホンカという役は観客に共感してもらうのが難しい役だと思いました。ですが、よくある映画的なトリックは使いたくなくて。実際にホンカがレイプを受けていたり、ひどい目にあったことを描くことで、ホンカに対して憐憫な感情を持って欲しくなかったからです。なので、若い方をキャスティングし、観客についてきてもらおうと思いました。若い人の目にはイノセンスが宿っています。それはメイクで覆い隠そうとしても、コントロールできるものではありません。ヨナスの目に宿るイノセンスで、観客の方がついてきてくれるのではないかと考えました」とヨナスの魅力を語った。

 以降アキン監督は、一般試写の観客からの質問にも答える。「今後、映画化したい殺人鬼はいますか?」との質問には「特にはいないです」と答えつつも「ただナチについては、大量殺人や連続殺人ともとれる。題材としては、以前から興味を持っているので、この先主題にしても驚かないでくださいね。フランスの著者の本でヨーゼフ・メンゲレ医師が小説になっているものがあり、これはヨナスにも読んでもらっていて、二人でもう1本作品を撮ろうかと話しています。もしかしたら実現するかもしれません」と今後の展望を明らかにした。

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