『まだ結婚できない男』三角関係に終止符が 阿部寛が示した人生100年時代の多様な生き方

『まだ結婚できない男』三角関係に終止符が

 13年前に人気を博したドラマ『結婚できない男』の続編『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系)。前作から月日は流れ、時代は令和を迎えたが主人公の“結婚できない男”桑野信介(阿部寛)は現在53歳、相変わらず独身を貫いている。

 第10話「幸せになりたくて悪いか!!」では、人生100年時代におけるパートナーシップの在り方について最終回らしく示唆されていた。桑野(阿部寛)が家の設計を担当している木村(伊藤正之)と、離婚しようと思っている妻が、建築差し止めの訴訟を起こす。しかも妻の弁護人はまどか(吉田羊)で、夫側の証人として出廷することになった桑野は、法廷でまどかと対峙することになる。

 有希江(稲森いずみ)や早紀(深川麻衣)が見守る中、開かれた裁判では一同が心配した通り、桑野とまどかの論争がヒートアップ。桑野の設計図について「男性の一人暮らしにしては寝室のスペースが広すぎる」などの指摘を入れるまどか。対して桑野は「人は必ず誰かと暮らしたいはずだという固定概念が、女と一緒に住むのではないかという邪推を生んだ」と反撃する。そしてすかさずまどかが「誰かと暮らしたい、一人が寂しいという感情は人として自然な感情でしょう」と重ねる。

 また桑野が旦那の趣味である鉄道の模型を室内で走らせることができるような設計にしたという点に関しても、旦那に鉄道の趣味があったことを妻は知らなかったとまどかが疑問を口にする。

 桑野は妻に気を遣って旦那は自分の趣味について言えなかったのだと代弁。そこでまどかが思わず「旦那さんは模型の趣味を我慢して寂しかったでしょう。でも奥さんはもっと寂しかったんです。一人でも寂しいのに二人でいても寂しいなんてそんな……」と言葉を詰まらせる。さらに「お互いがほんの少しでも心を開いてお互いの立場に立てば……」と感極まる。「裁判に私情を持ち込んでいる」とする桑野に、裁判官からも証人からの異議申し立ては出来ないと半ば呆れ気味にその場を制され、なだめられる始末。

 その様子を見ていた有希江は、今まで微かに抱いていた疑惑が確信に変わる。まどかに「桑野さんとあんなにちゃんと喧嘩できるのはあなたしかいない。喧嘩するってことはちゃんと向き合ってるってことだから」と伝え、三角関係から自ら抜ける。

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