『俺の話は長い』安田顕×生田斗真の間に芽生え始めた繋がり 屁理屈の裏にある哲学とは

『俺の話は長い』安田顕×生田斗真に友情?

 実に3分近くにも及ぶ長台詞で相手を言いくるめるという、満(生田斗真)の屁理屈の天才ぶりが遺憾なく発揮された2日放送の日本テレビ系列土曜ドラマ『俺の話は長い』第4話。「中退のムダ遣い」や「働かなくてもいい才能がある」や「夢と孤独の狭間で戦ってる」など数々の名言を生み出し、その言葉に突き動かされた渡利(間宮祥太朗)が会社を辞めると宣言した途端に手のひらを返すように態度を変える満。この一連の流れからは、面倒臭いながらも人間味にあふれた満のフィロソフィーが垣間見える。

 もちろんその“フィロソフィー”たるものは、これまでの回を追っていれば言わずと知れたものであるが、きちんと今回の冒頭でもその片鱗を見せている。朝の食卓のシーンで、すっかり朝型の生活を送るようになった満が起きてくると、綾子(小池栄子)が「このまま朝型の生活にしたら?」といつもの調子で言う。するとすぐさま屁理屈をフル稼働させ、朝という忙しい時間の特性に乗じて相手を辟易とさせることで「朝型の生活にするなんて言うなよ」と丸め込む流れが描かれた。

 そして後半のエピソードで、房枝(原田美枝子)の喫茶店・ポラリスの常連である薗田(本多力)から、自身の勤める会社の中途採用の面接を受けてみないかと勧められた満は、Barクラッチで薗田の後輩社員・渡利と対面することになる。満と同じように大学を中退してバックパッカーとして世界を旅した経験があるという渡利は、その共通点と営業マンとしてのトーク術を武器に猛アピール。しかしそれをひとしきり聞きながら集めるだけ集めたアラを、容赦なく突きまくる満。結果的に前述したような展開になるのである。

 そこから見えてくるのは、“自分の人生を他人に決められたくない”という満のフィロソフィーに他ならない。しかもそれと同時に、満自身の言葉で渡利とその恋人の人生が左右されることも良しとしない。自分がされたくないことを他人にもしたくないという、満の人として成熟した部分といえるだろう。これは終盤での光司(安田顕)と満の会話にも結びつく。陸(水沢林太郎)から恋愛相談を持ちかけられ、春海(清原果耶)の想い人であると知りつつも、陸に今の彼女と別れなさいと言えなかった光司。

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