『グランメゾン東京』木村拓哉に「おっさん」!? 鈴木京香のギャップ溢れる奮闘の新鮮さ
木村拓哉主演で話題の日曜劇場『グランメゾン東京』(TBS系、日曜午後9時)で、木村と12年ぶりの共演となる女優・鈴木京香。高貴で清楚なイメージで映画やドラマを彩ってきた鈴木だが、このドラマでは木村演じる尾花夏樹の代わりに方々に交渉や謝罪をしたり、あくせくと動き回る姿が新鮮。今までにない、親しみやすい鈴木京香の『グランメゾン東京』での魅力を考察してみたい。
『グランメゾン東京』で鈴木京香演じるフランス料理のシェフ・早見倫子は、料理を食べただけで使われた素材と調理法が分かる絶対味覚の持ち主だが、東京で10年レストランをやっても星が1つも付かず料理人としての限界を感じていた。そんな時、尾花が二つ星を獲得した「エスコフィユ」の味に衝撃を受け、再び三つ星を獲得することを決意。単身フランスへ行き、三つ星レストランの面接を受けた時に、全てを失っていた尾花と出会い「星を取らせてやる」と三つ星レストランを目指して「グランメゾン東京」を一緒に作り上げようと奮闘していく。
女優・鈴木京香と言えば、正統派美人の容姿で品があり、20代の頃から既に大人の色香が漂う落ち着いた女性というイメージ。特に、彼女の転機となった三谷幸喜作品の『王様のレストラン』(フジテレビ系・1995年)で「私、愛人顔だから」というセリフがあてられたように、『華麗なる一族』(TBS系・2007年)や『セカンドバージン』(NHK総合・2010年)など、愛人役や悪女を演じることが多い印象だ。しかし、今回の『グランメゾン東京』では今までにない親しみやすいキャラクターを演じ、新たな魅力を発揮している。
まず意外性を感じたのはレストランの面接を受けている登場シーン。今や大女優として物事を達観しているイメージがある鈴木だが、年齢を周りに笑われながらも、チャレンジャーの立場から頭を下げて必死にお願いする姿のファーストインパクト、そして木村との軽快なかけ合いは最近の鈴木ではあまり見ないキャラ。例えばこれまで『リーガル・ハイ』(フジテレビ系・2012年)で古美門研介(堺雅人)の元妻で弁護士の役を演じ、丁々発止のやりとりがあったが、それでも常に鈴木が主導権を握っていただけに、今回は完全に木村のペースに振り回され翻弄される姿も新鮮だ。