二階堂ふみ、『人間失格』で芽生えた蜷川実花監督への信頼感 「最終的に女性の味方でいてくれる」

二階堂ふみ、『人間失格』で芽生えた蜷川実花監督への信頼感 「最終的に女性の味方でいてくれる」

 小栗旬が主演を務めた映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』が、9月13日に公開される。写真家であり映画監督の蜷川実花が、構想に7年を費やし、天才作家・太宰治のスキャンダラスな恋と人生を大胆に映画化した本作。主人公・太宰治を演じる小栗のほか、太宰の正妻・美知子役の宮沢りえ、作家志望の愛人・静子役の沢尻エリカ、最後の女・富栄役の二階堂ふみという女優陣、さらに成田凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也という太宰と女たちを取り巻く男性陣のキャスティングにも注目が集まっている。

 今回リアルサウンド映画部では、太宰の愛人で最後の女となった山崎富栄を演じた二階堂ふみにインタビュー。実在した人物をどのように演じたのか、監督や共演者のエピソードとともに語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「賛否がある作品の方が面白い」

ーー太宰治の人生を映画化するという今回の作品への参加をどのように受け止められましたか?

二階堂ふみ(以下、二階堂):日本人なら誰しもが知っている作品でしたし、太宰治についてはお亡くなりになられて半世紀以上経ちますが、亡くなった後に神格化されたようなイメージが少しあって。でも、最初に台本を読ませていただいた時に、人間味溢れる魅力的な方だったんだなと感じました。知らなかった太宰治の一面が描かれた作品に参加させていただけることと同時に、偉大な先輩方と並んでお芝居ができることも、決め手の一つでした。

ーー重要な役どころということで、プレッシャーはありませんでしたか?

二階堂:プレッシャーはありませんでしたが、それよりもちゃんと向き合わなければという気持ちの方が大きくて、山崎富栄さんご本人の日記を読ませていただいたり、撮影中にお墓にご挨拶に行かせていただいたりもしました。自分の中で構築していくものもありつつ、小栗(旬)さん演じる太宰がどう動くかを撮影中は大事にしていたかもしれません。

ーー小栗さんとはどのようなやりとりを?

二階堂:実際に現場に入るまでは、頭で理解できてもお芝居でどうなるかは全然想像ができませんでした。それで実際に現場に入って、小栗さん演じる太宰と向き合った瞬間に、富栄が太宰に惹かれてしまうのは必然的だったと感じました。富栄さんは、あの時代には珍しく、美容師として自立していた女性だったのですが、その強さが太宰の方に向かった時に、どんどん富栄さんが太宰の生気を吸っているように感じる瞬間もあって……。そういう気持ちを素直に感じながら、現場で心が動いたままにやることを大事にして演じていました。

ーー発表されたコメントでも「小栗さん演じる修治さんは、私が何処かで求めていた“太宰治”のような気がします」と述べられていましたね。

二階堂:これまで小栗さんとはあまり接点がなかったのですが、実際にがっつりご一緒させていただいて、心の底にある炎を垣間見ることがあって。それでいて圧倒的なカリスマ性と、現場に現れた瞬間に空気がバッと変わる感じが、もう太宰そのものでした。みな自然と惹かれてしまう、説得力が小栗さんにはありました。

ーー太宰治という神格化された人物を描いた作品なだけに、太宰ファンからどんな反応があるかも気になりますよね。

二階堂:そうですね。賛否がある作品の方が面白いと思います。太宰の本にしても、この映画の中で出てきたように、否定する方々もいた。でもだからこそ、残っていく。太宰を描くにはふさわしい作品だったと思います。

ーー蜷川実花監督らしさがありつつも、これまでの作品とはちょっと毛色が違った作品になっていますよね。

二階堂:写真家としてはご一緒したことがあったのですが、映像作品でご一緒するのは今回が初めてでした。3人の女性を描くにあたって、ちょっとした心の変化などをリアルに表現しているからこそ、女性が観ても不快にならない内容になっていると思います。でも、実花さんの中には男性的な部分もあるように感じて、ご自身も家庭を持ちながら、どんどんいろんなことに挑戦されたり、あまり性別に囚われない生き方をされている方なので、そういう仕事人や表現者としての一面が、太宰を描くにあたってマッチしたのだと思います。

ーーなるほど。たしかに男性的な部分はあるかもしれないですね。

二階堂:でも、実花さんは最終的にはやっぱり女性の味方でいてくれるんです。そこがすごく安心できる部分でした。「実花さんだから大丈夫だな」「実花さんならきっとわかってくれてる」と感じながら現場でご一緒させていただいていました。

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