清原果耶、森七菜、細田佳央太ら相次ぐ大役抜擢! 作品の変化が生んだ、現役高校生俳優の躍進

現役高校生俳優たちの相次ぐ躍進

 また先月『なつぞら』に登場し注目を集めた池間夏海も昨年暮れの『ニセコイ』で“第二のヒロイン”と称される小野寺小咲役を演じ、9月6日に公開される『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』で柏木渚役に抜擢されるなど、注目の逸材のひとり。他にも、清原と同じSeventeenの専属モデルで子役時代から活躍してきた桜田ひよりは山戸結希監督の『ホットギミック ガールミーツボーイ』で主人公の妹役を鮮烈に演じ抜き、またアニメ映画『薄暮』で主役を務めるなど新境地を開拓。さらに日向坂46のセンターに立つ小坂菜緒も映像演技初挑戦でいきなりホラー映画『恐怖人形』の主役に抜擢されるなど、いずれも目が離せない。

『町田くんの世界』(c)安藤ゆき/集英社 (c)2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

 もちろん男性陣も粒ぞろいだ。伸びしろの大きさで言えば、今年6月に公開された石井裕也監督の『町田くんの世界』で主人公“町田くん”役に大抜擢された新星・細田佳央太をおいて他にはいない。ほとんどの共演者が年上の中で、初々しさと時折のぞかせる“町田くん”らしい落ち着きが実に忘れがたく、これからどんな俳優に育っていくのか楽しみでならない。また子役時代から活躍し、今年3月に公開された『まく子』で主人公を演じた山崎光も2003年生まれの現役高校生。前述の『いちごの唄』にも出演していたが、子役出身俳優のあらゆるジンクスを打ち砕くだけの大物感がすでににじみ出ており、今後出演作が増えるにつれてさらに磨きがかかっていくはずだ。

 彼ら“現役高校生”の俳優たちが一気に今年大役を射止めたというある種の現象に、確たる理由というものはもちろん見当たらない。しかし、興味深いことに来年の春には数年前の子役ブームの中心にいた鈴木福や芦田愛菜、本田望結、鈴木梨央、小林星蘭らがこぞってその仲間入りを果たす。彼ら“新星”と呼ぶにふさわしい面々が同世代の“ベテラン俳優”たちを迎え撃つことで、さらに若手俳優界は群雄割拠となることは間違いないだろう。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■公開情報
『東京喰種 トーキョーグール【S】』
全国公開中
出演:窪田正孝、山本舞香、鈴木伸之、小笠原海、白石隼也、木竜麻生、森七菜、桜田ひより、村井國夫、知英、マギー、ダンカン、柳俊太郎、坂東巳之助、松田翔太
原作:石田スイ『東京喰種トーキョーグール』(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:川崎拓也、平牧和彦
脚本:御笠ノ忠次
主題歌:女王蜂「Introduction」(Sony Music Associated Records)
配給:松竹
(c)2019「東京喰種【S】」製作委員会 (c)石田スイ/集英社
公式サイト:http://tokyoghoul.jp/
公式twitter:https://twitter.com/tkg_movie
公式Instagram:https://www.instagram.com/tkg_movie/

『町田くんの世界』
全国公開中
出演:細田佳央太、関水渚、岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子
監督・脚本:石井裕也
脚本:片岡翔
原作:安藤ゆき『町田くんの世界』(集英社マーガレットコミックス刊)
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)安藤ゆき/集英社 (c)2019 映画「町田くんの世界」製作委員会
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/machidakun-movie/

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮、清原翔/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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