石原さとみが『Heaven?』で見つめた、自分らしさ 「自分に飽きたくなくて変わりたい」

石原さとみが見つめる、自分らしさ

「誰かを支えることができていたらな」


ーー仮名子が、“食べる専門”のオーナーという役柄ですが、最近の石原さんの出演作で、『アンナチュラル』(TBS系)や『高嶺の花』(日本テレビ系)も食べるシーンが多くありました。

石原:何なんでしょうね(笑)。

ーー本作で、「食」はどんな風に描かれているのでしょうか。

石原:プロデューサーさんと話したんです、「なんでこのレストラン作りたいのか?」という大元は、“フレンチ料理が大好きで、美味しい料理を家の近くで、好き放題に、すぐに食べたい”。だからわざわざ作り、従業員を集めるというところから始まっているので、美味しく食べるシーンを絶対に入れたいとおっしゃっていました。フレンチは初めてですし、今回は、食に対する貪欲さみたいなものを、見せられたらなと思いながらやっています。群像劇が進んでいく中で、仮名子のどんな時でも美味しいもの食べた瞬間に幸せになるところは、しっかりと見せたいですね。

ーー今回はオーナー役で、食を提供する側を演じてみて、どんなやりがいを感じましたか。

石原:幸せを提供する場、人生を豊かにする場所や時間はプライスレスで、とても大事なものだと思うんです。自分のお金や時間、そして心に余裕ができた時に、それをより豊かにするための場所というか。必要不可欠な場所だなと感じています。それはレストランだけでなくエンタメもそういうものだと思います。例えば帰ってきてテレビつけた時に、なんか“笑える”、“ほっとする”とか、誰かの命を救えるかは分からないけど、“ちょっとだけ豊かになる”とか、“心がちょっとだけ持ち上がる”とか。そういう、人生の時間を豊かにするための仕事は、私の中ではかけがえのないもので、誰かを支えることができていたらなと思います。

ーー現場のムードメーカーは勝村(政信)さんと志尊(淳)さんだと伺いました。

石原:勝村さんの志尊さんいじりじゃないですかね(笑)。“志尊淳いじり”はもうずっと、延々に続く気がします。でも、撮影中、本番中、テスト中で一番ツボにハマるのは、確実に岸部(一徳)さんです。志尊さんの芝居で岸部さんが堪えられなくて笑っちゃう時もあるし、誰か1人が笑っちゃって、みんなに伝染する、みたいなことはいっぱいあります。

ーーそうするとNGになっちゃう?

石原:NGになってます(笑)。私も、笑いが堪えられない経験をこんなにすると思わなかったです。あと女性ひとりなのも初めての経験です。メインキャストが全員男性で、しかもラブストーリーが一ミリも入ってこないので、いい意味で異性として見ない、とても貴重な現場です。常に人間としての付き合いで接することができて、すごく楽です。

ーー“諦観の笑み”は皆さん習得されているんでしょうか。

石原:(撮影が)押すなって思った時、みんなの“諦観の笑み”がしっかりあります(笑)。「押してるね」「うん」「2時間」……っていう、そこの“諦観の笑み”は共通してありますね。

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