大泉洋、満を持しての日曜劇場主演 『ノーサイド・ゲーム』“サラリーマン役”は新境地となるか
TBS日曜劇場は企業や組織に生きる男性たちの群像劇が多いが、本作に大泉洋が出ることを待ち望んでいた人が多かったのも事実だ。なぜなら、彼が所属しているTEAM NACSのメンバーが次々と出演してきたからである。
安田顕は『下町ロケット』(2015年、2018年)と『小さな巨人』に出演。また、音尾琢真は『陸王』(2017年)、『ブラックペアン』(2018年)に登場。戸次重幸も『下町ロケット』(2015年)で、安田演じる山崎の勤める佃製作所とはライバル会社の人間を演じ、NACSの共演にファンは沸いた。
それだけではない。『下町ロケット』(2018年)には、後半の6話から主人公・佃の大学時代の同級生で大学教授というキーマンとして、森崎博之が華々しく登場。安田と合流し、話題をさらった。また、森崎を長年、農業を応援する仕事をしてきた実際の姿と重なる“無人農業ロボット”の研究者として起用したことや、NACSメンバーの共演をうまく話題にしてきたことで、ファンとしても、『日曜劇場』はTEAM NACSのことを「わかっている」と期待をしていたところもあるのではないだろうか。
そのため、大泉洋はいつになったら日曜劇場に出るのかと心待ちにしてきた人も多い。もちろん、これらの日曜劇場のプロデューサーを務めてきた伊與田英徳と演出の福澤克雄の手がけた『LEADERS リーダーズII』(2017年)には、大泉も特別出演をしていたことも期待を煽っていた。
これらのことを考えても、長年、連続ドラマの主演に期待されながらも出演してこなかった大泉が、満を持して主演をするとすれば、日曜劇場しかなかったとも思えるのである。
この日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』での大泉洋は、本社に返り咲きたいというエゴも見せ、また経営戦略のプロという一面を持つキャラクターでありながら、ラグビー部に真正面からぶつかろうとする熱い気持ちの芽を心の中に持ち、またがむしゃらにタックルして無様に地面に叩きつけられるという情けない部分を隠さない愛らしさも持っている。また、ラグビー部員たちが社内でどんな状況にあるのかを見つめる目線も持っている。ただ熱いだけでないサラリーマン像、そしてこれまでとは違う日曜劇場を最終回まで見せてくれるのではないだろうか。
■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。
■放送情報
日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:大泉洋、松たか子、高橋光臣、笹本玲奈、天野義久、廣瀬俊朗、齊藤祐也、林家たま平、コージ(ブリリアン)、佳久創、村田琳、笠原ゴーフォワード、大谷亮平、中村芝翫、上川隆也
原作:池井戸潤『ノーサイド』
脚本:丑尾健太郎ほか
演出:福澤克雄ほか
出演:大泉洋
プロデューサー:伊與田英徳ほか
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/noside_game_tbs/