『Heaven?』『凪のお暇』など夏ドラマは粒ぞろい! 岡田惠和、森下佳子が手がける深夜枠も注目

注目の7月期ドラマを一挙紹介

 続いて、実力・実績共に信頼しかない3人の男優、唐沢寿明、大森南朋、三浦春馬がそれぞれ主演を務める、人気韓国ドラマが原案のクールな3本。

韓国ドラマが原案の3本

『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)

『TWO WEEKS』(c)カンテレ

 三浦春馬主演。最近はミュージカル『キンキーブーツ』のドラァグクイーン役の見事なダンス姿も話題になったが、今回演じるのは殺人の濡れ衣を着せられ、闘病中の娘のために逃げる逃亡犯の役。どんな顔を見せてくれるのか。

『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』(テレビ朝日系)

『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』(c)テレビ朝日

 大森南朋が意外にも民放連続ドラマ初単独主演。『ハゲタカ』(NHK総合)の衝撃以降、各映画・ドラマで常に役として生きている彼の魅力にとりつかれている人間としては楽しみでならない。また、仲村トオル、高杉真宙といった布陣も期待大の理由である。

『ボイス 110緊急指令室』(日本テレビ系)

『ボイス 110緊急指令室』(c)日本テレビ

 「ハマの狂犬」というゾクゾクするキャッチフレーズに加えワイルドな無精ひげが魅力的な唐沢寿明と真木よう子がバディを組む刑事もの。脚本を担当する浜田秀哉は、フジテレビ系の『絶対零度』シリーズも手がけており、人気韓国ドラマをどう日本にアレンジするのか注目だ。

深夜ドラマに岡田惠和と森下佳子

 ムロツヨシと田中圭の共演『Iターン』に、まったり楽しそうなサウナ好きのドラマ『サ道』というテレビ東京の金曜日二本立てに、劇団ひとり演出の『べしゃり暮らし』(テレビ朝日系)も気になる。だが、今期の深夜ドラマで最注目なのが、『ひよっこ』(NHK総合)の岡田惠和、『義母と娘のブルース』(TBS系)の森下佳子というベテラン脚本家陣が参戦する2本。

『セミオトコ』(テレビ朝日系)

 岡田惠和脚本。山田涼介が演じるのは、この夏羽化したセミらしい。檀ふみ・阿川佐和子演じる姉妹の大家のいるアパート「うつせみ荘」に、ヒロインは木南晴夏。そして、セミは7日間しか生きられないという話から想像するだけで切なく、このドラマに通うのだろう体温に似た温かさと優しさを今から想像せずにはいられない。

『だから私は推しました』(NHK総合)

 『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』『腐女子、うっかりゲイに告る。』と気鋭の劇作家が作る刺激的で質の高いドラマが続いたNHKよるドラ枠の3作目を『おんな城主 直虎』の森下佳子が手がける面白さ。ヒロイン・桜井ユキはもちろんだが、『絶対正義』(東海テレビ・フジテレビ系)において、ヒロイン・山口紗弥加不在の終盤のキーパーソンを演じきった美少女・白石聖が地下アイドル役を演じるのも楽しみである。

熱量が増し続けている『あなたの番です』『いだてん』

『あなたの番です-反撃編-』(c)日本テレビ系

 そして、SNSで考察が話題になっている『あなたの番です-反撃編-』(日本テレビ系)。第一章終盤の衝撃的な原田知世の死の場面は、まるでアガサ・クリスティの小説のよう。それぞれの役の見せ場をこれ以上ない迫力で演じている俳優陣が凄まじいが、特に奈緒の怪演は驚異である。謎解きの章になっても相変わらずの怖さを保ち続けているこちらも目が離せない。

 さらに、金栗四三編終盤から田畑政治編序盤にかけて、グワッと何かが宿ったかのような、その熱量に毎週泣かされている『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)。特に先週放送の菅原小春演じる人見絹枝は素晴らしかった。これから観ても遅くない、見逃せない1本である。

■藤原奈緒
1992年生まれ。大分県在住の書店員。「映画芸術」などに寄稿。

■放送情報
火曜ドラマ『Heaven?~ご苦楽レストラン~』
TBS系にて、7月9日スタート 毎週火曜22:00~放送
出演:石原さとみ、福士蒼汰、志尊淳、勝村政信、段田安則、岸部一徳
脚本:吉田恵里香
原作:佐々木倫子『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(小学館ビッグスピリッツコミックス刊)
プロデュース:瀬戸口克陽
演出:木村ひさし、松木彩、村尾嘉昭
主題歌:あいみょん「真夏の夜の匂いがする」
製作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/Heaven_tbs/

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