大谷亮平、『まんぷく』出演で役者としての評価高める 内田有紀への愛を貫き通す、優しくも強い姿

『まんぷく』で評価高めた大谷亮平の魅力

 映画に至っては18年に主演作『ゼニガタ』を含み、『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』『焼肉ドラゴン』『パパはわるものチャンピオン』と計4作に出演する。急遽出演が決まった『家に帰ると~』では、いわゆるこれまでの大谷のイメージに沿ったといえる会社員を演じ、一方『ゼニガタ』では、裏社会を舞台に無口な闇金屋を演じて新たな一面を見せた。

 そして『まんぷく』。現在では再婚相手を見つけたが、咲が亡くなってからも愛を貫き続け、香田家との良き関係を続けていった誠実で優しい真一の姿は、こちらの心をがっちりと掴んだ。大阪出身の大谷だが、普段の自身の大阪弁ではなく、真一のキャラクターに合う大阪弁にしていると答えているが、この穏やかな語り口も好評だ。

 結婚前の福子に「大事な人がいるなら 生きてそこにいるなら、簡単に手放してはいけない。いけないよ」、そしてラーメン作りに悩む萬平に「かのトーマス・エジソンはこう言った。『私は失敗したことがない。ただ1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ』。萬平君ならできるさ」など、ふたりが悩むたびに背中を支え、押してきた。

 真一役に巡り合えたのは、大谷にとって幸運だったといえる。しかしそれを幸運なものとしたのは大谷自身であり、日本に活動の場を戻してすぐにブレイクしても決して胡坐をかくことなく、真摯に仕事を見つめていった賜物だ。

 いま、ラーメンが完成した喜びの反面、「あぁ、あとひと月半で終わってしまうのか」と寂しさを感じている人も多いはずだが、信用組合を辞めてまで手伝いたいと申し出てくれた真一と共に、最後まで福子と萬平の歩みをしっかり見守り、真一の男らしさを堪能したい。そして真一役で優しさと真の強い男としての魅力、役者としてのポテンシャルを見せた大谷亮平のこれからにも期待だ。

■望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『まんぷく』
10月1日(月)〜2019年3月30日(土)【全151回】
作:福田靖
出演:安藤サクラ、長谷川博己、松下奈緒、要潤、大谷亮平、桐谷健太、瀬戸康史、岸井ゆきの、松井玲奈、深川麻衣、加藤雅也、牧瀬里穂、松坂慶子ほか
語り:芦田愛菜
制作統括:真鍋斎
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/mampuku/

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