2019年は“3人の亥年男”に期待!? 鈴木亮平、松田龍平、山田孝之の躍進
まず目に留まるのが、大河ドラマ『西郷どん』(NHK)で一年にわたって主演を務め上げた鈴木亮平だ。一年という長い時間をかけ、年齢や環境に応じて作り上げていった西郷隆盛像は素晴らしいものであった。この大役の経験で、役者として見える景色も変わったのではないだろうか。次は何を演るのか? それが今一番気になる俳優である。
『羊の木』『犬ヶ島』などの話題作や、主演作『泣き虫しょったんの奇跡』、さらには『獣になれない私たち』(日本テレビ系)で新垣結衣との絶妙なコンビネーションを見せた松田龍平。いまだ“映画俳優”という印象の強い彼だが、『カルテット』(2017・TBS系)に続き、幅広い層のファンと知名度を獲得し続けている。綾野剛との共演作『影裏』にも期待が高まる。
『dele』(テレビ朝日系)での主演、『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)などでの愉快なゲスト出演、そして、プロデューサーにも名を連ねた主演映画『ハード・コア』の公開と、多彩な魅力を放った山田孝之。福田雄一とタッグを組む三度目の舞台『ペテン師と詐欺師』や、脚本・プロデューサーとして参加し、完全に裏方に徹した『デイアンドナイト』の公開と、2019年もマルチな活躍に注目である。
なんとも強力な三人が並んだ36歳を迎える世代だが、さらに上の世代だと、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の吉田鋼太郎、『来る』で怪演を見せた柴田理恵、『獣になれない私たち』や『寝ても覚めても』でタイプ違いの母親役を演じた田中美佐子らがいる。こちらのベテラン陣にもまた期待だろう。
2019年、年男・年女となる俳優・女優たち。“戌年生まれ”の者たちの活躍に続き、“亥年生まれ”の存在は要チェックだ。
■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。