『まんぷく』“理想の夫”は誰? 長谷川博己、大谷亮平、要潤ら三者三様の大人の魅力
NHK連続テレビ小説『まんぷく』は、何度失敗を重ねてもどん底から立ち上がり、「インスタントラーメン」を発明した夫婦の物語。逆境の中で本領を発揮する立花萬平(長谷川博己)と、彼をサポートする聡明な妻・福子(安藤サクラ)は、ピンチに陥るたび、互いの愛情を確かめ合ってきた。
萬平が濡れ衣や誤解、見せしめとして憲兵や進駐軍に逮捕されるような不安のまっただ中にいても、福子は彼を信じて前に進んでいく。2人も最初から理想の夫婦として結ばれていたわけではなく、萬平が窮地に立たされるたびに福子が行動して危機を乗り越え、絆を強固にしてきた。
また、福子が萬平と知り合い、気位が高く心配性の母・鈴(松坂慶子)が強く反対しても、どうにか結婚まで漕ぎ着けたのは、周囲の人たちが味方になってくれたことが大きい。とくに、義理の兄たちは鈴の性格を知っているぶん、福子と萬平の幸せを願い、2人が結婚できるよう応援していた。
三姉妹の末っ子として大阪に生まれた福子は、2人の姉・咲(内田有紀)、克子(松下奈緒)の愛情を受けて育ったため、楽天家でおおらかな性格。姉たちの結婚生活を垣間みて、結婚に憧れ、その影響も少なからず受けてきた。結核で亡くなった長女・咲の夫、小野塚真一(大谷亮平)は、落ち着いた紳士。優しく献身的に咲を支えていた彼は、仕事面でも「たちばな栄養食品」になくてはらない存在となった。
一方、次女・克子の夫、忠彦(要潤)は、芸術へのこだわりが強い画家で、「売れたい」だとか、「儲けたい」ということは考えていない様子。実家の援助があるとはいえ、克子が画家として彼を認め、貧乏をさほど恐れていないため、金銭面で揉めていることはなさそうだ。忠彦は普段あまり感情を表すことはないが、言葉の端々に家族への愛情が感じられる。
三姉妹が選んだ夫たち、3人それぞれに大人の男として魅力があり、個性的だ。三姉妹の母である鈴への対応も見事で、多くの女性の癒しとなっている。正統派の真一、芸術家の忠彦、そして実業家であり発明家の萬平。果たして、3人のうち、誰が一番“理想の夫”といえるだろうか。