なぜディズニー映画の監督は2人必要なのか? 『シュガー・ラッシュ2』監督に真相を聞いてみた
映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』が12月21日に公開される。本作は人間たちが知らないゲームの裏側の世界を舞台に、ラルフとヴァネロペの友情が描かれた『シュガー・ラッシュ』の続編。今回、ヴァネロペの住むゲーム「シュガー・ラッシュ」のハンドルが故障したことにより、ゲームは廃棄処分の危機に陥ることになる。ヴァネロペは、親友ラルフとともに新たなハンドルを手に入れるためインターネットの世界に飛び込むが、新しい自由な世界にヴァネロペが魅了され、2人の意見が割れてしまう。
今回リアルサウンド映画部では、本作の監督を務めた、リッチ・ムーア&フィル・ジョンストンにインタビュー。監督を2人で務めること、ヴァネロペたちのように意見が割れてしまったらどうするのかなどを語ってもらった。
「正気を失わないし、健康的だ」
ーー近年、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの作品は、監督2人体制で製作されていますよね。なぜなのでしょうか?
リッチ・ムーア(以下、ムーア):とにかくスケールの大きい作品が増えてきて、正直1人では、まかないきれないんじゃないかな。これまで僕はディズニーで3本撮っているんだけど、1人で監督したのは『シュガー・ラッシュ』1本だけ。その時でさえ脳のパワーが限界だったけど、その後『ズートピア』と本作、もっと巨大な作品を監督することになって、2人必要になった。2人だと、脳も2倍になるし、責任も分かち合うことができる。
フィル・ジョンストン(以下、ジョンストン):なにしろ、アニメーションの中でも一番大きな作品だからね。
ムーア:監督っていうのは、毎日何百もの判断を瞬時に迫られる仕事でもあるんだ。僕が1人で監督している時は、判断を下すために、もう1人の自分と口に出して相談していた時もあった。スタッフには、「おかしくなったわけじゃないよ」って伝えていたよ(笑)。もう1人の監督とやりとりできるのは、正気を失わないし、健康的だとも言えるね。