今期ナンバーワンの注目俳優! 岡田健史、『中学聖日記』で見せる新人俳優としての強み
ところで、期待の新人として大抜擢され注目を集め、現在も第一線で活躍する存在だと誰がいるだろうか。ここ近年で挙げるならば、『桐島、部活やめるってよ』(2012)で演技に初挑戦した東出昌大や、『2つ目の窓』(2014)で大きな話題をさらった村上虹郎などが思い浮かぶ。両者とも、今もっとも追いかけていきたい俳優である。さらにはつい最近、浅野忠信の長男である佐藤緋美が、演技未経験ながら舞台『書を捨てよ町へ出よう』で主演デビューを果たしたばかり。ちなみに同舞台は、2015年に上演されたものの再演版。初演時は村上虹郎が主演していたこともあり、否が応でもこの佐藤緋美の今後に期待してしまう。
しかし、東出がモデルとしてのキャリアを持っていたことや、村上や佐藤がサラブレッドとしても注目されていることは否定できない。もちろん、別ジャンルでのキャリアや血統は、現在の彼らの活躍とイコールではないだろう。私たちが知らぬところで、いくつもの闘いをくぐり抜けてきているはずである。だがそんな彼らと岡田はまた違う。まだ何色にも染まっていない、完全にまっさらな存在なのである。だからこそ、彼がこの大抜擢された背景には、製作陣を突き動かした、何かまだ大きな力を秘めているに違いないと思えるのだ。
言うまでもないが本作での活躍は、役者としてだけでなく、彼自身にとっても大きな経験となるのだろう。思春期のひとときが刹那的であるように、新人俳優が湛えられる瑞々しさもまた刹那的なものである。黒岩晶役として、そして、俳優・岡田健史としての成長を追いかけていきたい。
■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。
■公開情報
火曜ドラマ『中学聖日記』
TBS系にて、毎週火曜22:00~23:07放送
出演:有村架純、岡田健史、町田啓太、マキタスポーツ、夏木マリ、友近、吉田羊、夏川結衣、中山咲月
原作:かわかみじゅんこ『中学聖日記』(祥伝社フィールコミックス)
脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、竹村謙太郎、坪井敏雄
主題歌:Uru「プロローグ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/chugakuseinikki_tbs/