なぜ全編PC画面が成立すると思ったのか? 『search/サーチ』監督が斬新な映像手法を語る
10月26日公開の映画『search/サーチ』で監督を務めたアニーシュ・チャガンティの特別インタビュー動画が公開された。
チャガンティが長編監督デビューを果たした本作は、忽然と姿を消した16歳の女子高生マーゴットを、父デビッド(ジョン・チョー)が彼女のPCにログインして探し出そうとするサスペンススリラー。全てPC画面の映像で展開する斬新さが称され、サンダンス映画祭2018で観客賞を受賞した。
今回公開された映像では、斬新な映像手法やストーリーなどについて言及。「『search/サーチ』は今までにない映画だ。行方不明の娘を捜す父親を描いたスリラーだが、PC画面の映像だけで物語が進行していく。謎解きのカギは娘のパソコンなんだ」と、まずは本作の魅力について語る。
それと同時に「誰もが聞いたことのあるようなストーリーを新しい手法で映像化する。昔からあるような話を斬新な映像で語るから、バランスの取り方に苦労したよ」と新しい映像手法に挑戦した撮影ならではの苦労も吐露。
ほか“PC画面の映像だけで全ての物語が進行する”という、一見不可能に思えるこの作品がなぜ成立すると思ったのか、という質問については「僕らは常に大量の画面を見ている。誰かと連絡を取るにはメールを使うし、ビデオチャットで対話もする。検索サイトから情報にアクセスしたり、ライブ配信を見たり銀行口座を見たり、いろんな画面に感情を動かされているんだ」そのため「慣れ親しんだ画面を通じ、物語を伝えることで、人の感情を動かせると思ったよ」と本作を作る決心に至ったきっかけについて語る。
そして、本作では娘のパソコンから様々なこれまで隠されていた情報を得ることで父・デビットがその行方を突き止めていくが、監督自身は人々が秘密を持つことについてどう思うか、と聞かれると「あちこちから集めたデータをもとにその人となりを想像することは楽しい」と自身を分析。
「隠された情報こそが真の姿を表す、というが、まさにこの作品を象徴する言葉だね」なぜなら、真実に近づくために父・デビットが「自分の兄弟や友人の秘密まで探る必要に迫られ、娘のパソコンに侵入することで謎を解いていくからさ」と続けて答えた。 最後に映画(製作)にテクノロジーを使うことについてどう思うか?という質問には「同業者にぜひ伝えたいと思っていることは、 テクノロジーは使い方次第、どんな物語でも必ずマッチする方法がある」と熱を込めた。
■公開情報
『search/サーチ』
10月26日(金)全国ロードショー
監督:アニーシュ・チャガンティ
製作:ティムール・ベクマンベトフ
脚本:アニーシュ・チャガンティ&セブ・オハニアン
出演:ジョン・チョー、デブラ・メッシング、ジョセフ・リー、ミシェル・ラー
配給:ソニー・ピクチャーズ
2018年/アメリカ映画/原題:Searching
公式サイト:search-movie.jp