映画における残酷描写の規制に変化? 一昔前ならR18+だった表現がR15+止まりになる傾向に

映画の残酷描写規制に変化?

 男が女の顔に向かってショットガンを至近距離から発砲、頭がパンッと豪快に弾け飛ぶ……。『REVENGE リベンジ』の衝撃的な頭部破壊。試写でこれを観た時、「これ、このまま劇場公開できるのかな?」と思った。

 なぜか? それは『ホーンズ 容疑者と告白の角』では劇場公開時、同種のシーンが削除されていたからだ(現在発売されているセル版DVD、Blu-rayのみ削除シーンを観ることが可能だ)。

『REVENGE リベンジ』(c)2017 M.E.S. PRODUCTIONS – MONKEY PACK FILMS – CHARADES – LOGICAL PICTURES – NEXUS FACTORY – UMEDIA

 『REVENGE リベンジ』試写後、この頭部破壊描写について「映倫から指導は入らなかったのですか?」と担当さんに確認すると「性器が露出しそうなところはボカしを入れるよう指導されましたが、他はお咎めなしでしたね。R15+指定になりますが、ショットガンのシーンもそのまま劇場公開できます」とのことだった。うーん……。どうやら最近の映倫の指導傾向に変化が出てきているようだ。

 ご存じない方も多いかと思うので、ここで映倫こと一般財団法人映画倫理機構について説明しておこう。ただし、映倫について、詳細な説明しようとすると、分厚い本が1冊書けてしまう。だから、ざっくりとした説明になってしまうことを許していただきたい。

 映倫とは、劇場公開映画のレイティング(年齢制限)を行う機構である。例えば「この作品は過激な性的描写、あるいは過度な暴力描写があるから18歳未満入場・観覧禁止(R18+)にする」とか「軽微な流血場面や薬物を乱用する場面があるため、12歳未満の者は親の助言・指導があれば観覧可(PG12)とする」などを、審査員が映画を観た上で決定するのである。

 “過度”、“過激”という判定は、映倫の審査員の主観や、時流の倫理感によって決められ、明確な基準はない(と言われている)。だから、昔は頭をショットガンで破壊した程度では(当然批判はあったものの)お咎めなしであったのにも関わらず、最近では「過激なのでR18+」となっていたワケだ。

 また、映倫の審査は審査費用さえ払えば、何度でも受けることができる。つまりR18+指定を受けた作品でも、性描写や暴力的シーンの削除やボカシ処理を行えば、R15+に下げられることもあるのだ。

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