『SUITS/スーツ』は月9史に何を残すのか? 織田裕二が演じてきた“ヒーロー”とともに考える

織田裕二が演じてきたヒーロー像を考える

 さて、本作は弁護士が主人公のドラマということであるが、『リーガルハイ』(フジテレビ系)の古美門研介しかり、『99.9-刑事専門弁護士-』(TBS系)の深山大翔しかり、とりわけ昨今の弁護士ドラマの主人公は、ちょっと変わった性格を持ち合わせていることが多い。ユーモラスでありながら、思ったことははっきり言うことが多いため、(特にパートナーの弁護士に対して)しばしば辛口なことを言う。その点、甲斐正午も、ある意味クセのある役どころであると言えよう。甲斐の秘書・伽耶子(中村アン)の台詞を借りれば、甲斐正午という弁護士は、“自信家で、皮肉屋で、相手の弱みを見つけたら立ち直れなくなるまで殴り続ける”タイプの人間なのだ。

 一風変わった主人公に振り回され、時にツッコミをいれたりするのが、パートナーの存在である。『リーガルハイ』の新垣結衣、『99.9』の榮倉奈々や木村文乃がそれに当たり、今回の『SUITS/スーツ』では、そのワトソン役を中島裕翔が務める。第1話からいきなり、鈴木大輔という一文字違いの別人となって事務所で働けと言い渡され、始めは戸惑う大貴であったが、後ろめたい仕事から足を洗いたかったことや、祖母のこともあって、とりあえずは甲斐の指示通りに動くことになった。そんな大貴とともにコンビで活動していく中で、甲斐がどのような成長をみせるのかも本作の見どころの一つと言えよう。平成の終わりに、織田裕二はどんな金字塔を月9史に築きあげるのだろうか?

(文=國重駿平)

■放送情報
『SUITS/スーツ』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
※初回30分拡大(21:00~22:24)
出演:織田裕二、中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、新木優子、中村アン、鈴木保奈美、今田美桜、小手伸也、磯村勇斗ほか
原作:『SUITS/スーツ』 NBC Universal製作
脚本:池上純哉
演出:土方政人
プロデュース:後藤博幸、小林宙
制作協力:共同テレビジョン
制作著作:フジテレビジョン
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/SUITS/
 

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