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ScreenXは“映画を観る”体験をさらに拡張? 大海原が舞台の『MEG ザ・モンスター』から考える

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 近年3D上映やIMAXデジタルシアター、そして4DXなど様々な上映システムが登場する中、昨年夏にユナイテッド・シネマ アクアシティお台場に日本初上陸を果たしたのがScreenX。正面にある通常のスクリーンに加えて、左右の壁にも映像を上映することで視界を270°にわたりカバーする画期的な上映システムだ。

 例えば3Dでは画面に奥行きを生み出し、4DXでは様々なエフェクトによって作品を一種のアトラクションへと変化させる。つまり両者は観客を映画の中に連れていく“体験”であるといえよう。しかし、ScreenXはそれらとは異なり、感覚としては限りなく通常の2D上映に近い。動かない座席に座ったままの観客が得られる、視覚からの情報量を増幅させることで、映画の世界のほうから観客へと近付き、そして包み込む。いわば映画というものが発明された頃から守られ続けてきた、映画を“観る”という極めてファンダメンタルな部分に立ち返り、その中で味わうことのできる臨場感を究極に突き詰めた形態と言えるのではないだろうか。

 9月7日から公開された、ジェイソン・ステイサム主演の海洋パニック・アクション『MEG ザ・モンスター』はこのScreenXを味わうには打ってつけの作品といえるだろう。マリアナ海溝よりも深い深海に向かった海洋探査チームが、そこで謎の巨大生物と遭遇。それは数万年前に絶滅したはずの巨大ザメ“メガロドン”。たちまち深海から人間の生息する地域まで近づいてきたメガロドンを退治するため、命知らずのダイバーが立ち向かっていくのだ。

 たとえば調査艇や救命艇などの閉塞的な空間に登場人物が置かれている時、正面のスクリーンではその登場人物の表情と視界の中心部分だけが提示される。しかしながら、そこに左右のスクリーンが加わると、いかにその人物が狭いところにいるのかがはっきりとわかり、閉塞的な空間を、開放的な映画館にいながらも同時に体験することができるわけだ。

 対照的に、大海原のどこまでも続く何もない海という、開放的でありながらも穏やかではない空間であったり、突如現れる巨大生物のスケール感を味わうことができるのもScreenXならではのこと。1面のスクリーンでは収まりきれないほど巨大なメガロドンの全貌が、左右のスクリーンとの合わせ技によって露呈されるだけでなく、いつ画面に現れるのかというスリルもまた、3倍になっていくのである。視界が制限されてしまう3Dであれば、観客の心理的にも「これは映画である」と容易に割り切れるであろうが、視界が自由な状態だからこそ生まれる余裕が、包み込んでくる映像と重なることで、かえって緊張感を増幅させていくのだ。

      

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