7月クールドラマの注目作! 山田孝之×菅田将暉『dele(ディーリー)』5つの期待ポイント
7月スタートの連続ドラマは、大きく分けてスタイリッシュな推理サスペンスとアラサーヒロインものの2つに分かれた。アラサーものは綾瀬はるか主演の『義母と娘のブルース』(TBS系)、石原さとみ主演の『高嶺の花』(日本テレビ系)、波瑠主演の『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)など。いずれも結婚をひとつのテーマにして人間関係をコミカルに描く。一方、推理サスペンスは月9『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)をはじめ、テレビ朝日の『遺留捜査』や『刑事7人』など。シリーズものの続編ばかりの中、新顔として登場するのが、山田孝之&菅田将暉共演の『dele(ディーリー)』(テレビ朝日系)だ。
主人公は、クライアントから生前に依頼を受け死後に見られたくないパソコンやスマホのデジタル記録を内密に消去する仕事をしている坂上圭司(山田)と真柴祐太郎(菅田)。この2人がさまざまな依頼人のさまざまな死に遭遇し、その秘密をめぐる事件に巻き込まれていく。そんな1話完結型のサスペンス『dele(ディーリー)』は既に7月クールで1、2を争う注目を集めており、公式Instagram「yamadasuda」はフォロワー10万人を突破。Twitterのフォロワー数も13万人に迫る勢いだ(ともに6月19日現在)。その期待値の高さと注目ポイントを以下の5つにまとめてみた。
1)本多孝好原作&脚本、作家発信のオリジナルストーリー
原作小説と原案は『真夜中の五分前』の本多孝好。単行本は1年前に出版されているが、先にドラマの企画として立ち上がり、小説のキャラクターも主演の山田と菅田をイメージして描かれたという。毎回“デジタル遺品”にまつわる事件が起きるが、小説とドラマではエピソードが異なり、ドラマはネタバレなしのオリジナルストーリーとして楽しめる。全体を通しても、これまで多彩な設定で“生と死”を描いてきた本多が、デジタルデータをテーマにその落差をどう描くのか楽しみだ。
2)『BORDER』の制作チームが2年をかけて準備してきた
プロデューサーは『BORDER』シリーズ(テレビ朝日系)の山田兼司。作家・脚本家の金城一紀と組んで同作を成功させた制作陣であり、制作プロダクションも『BORDER』と同じ5年D組が参加している。このチームが2年をかけて新たなオリジナルの企画を立ち上げ、キャストを押さえてドラマの準備をしてきたという点にも期待が高まる。山田Pが語るように「これは、今までの連続ドラマの作り方ではなかなか実現しない贅沢な試み」であり、下手すれば放送まで半年に満たないスパンで立ち上がってしまうドラマに比べれば、クリエイティビティの差は歴然としているだろう。
脚本には原案の本多を始め、金城、『グラスホッパー』の瀧本智行監督(演出も担当)らが参加。同じキャラクター設定を何人ものクリエイターが何通りにも描いていくという多重奏的な手法で、山田孝之も「面白い点は、毎回脚本家の方が違うというところです。回によってそれぞれ描写や表現方法に違いも出てきます。それをひとりの人間として演じることは、難しい作業ではありますが、やり甲斐もあります」と語っている。
3)“静”の山田孝之と“動”の菅田将暉
これまでも映画『闇金ウシジマくん Part2』などで共演してきた山田孝之と“動”の菅田将暉だが、本作で本格的に共演。車椅子生活を送り仕事場のパソコンの前に座ってデータを遠隔操作する圭司(山田)が“静”ならば、依頼人の死やスマホのありかなどの裏取りに走り、時に不法侵入もする祐太郎(菅田)は“動”。公開された30秒バージョンの予告編でもその対照的な演技が見られる。小説版によると、圭司は時に自動車で移動して現場に向かうこともあるようだが、最新作の映画『50回目のファーストキス』も含め、どちらかというと激しく動く役柄の多かった山田が、じっと座って目だけの演技をしているのが新鮮だ。