『君の名は。』制作会社最新作、日中合作アニメーション映画『詩季織々』今夏公開決定

『詩季織々』公開決定

 『君の名は。』『秒速5センチメートル』のコミックス・ウェーブ・フィルム制作の最新作『詩季織々』が、今夏公開されることが決定した。

 本作は、中国の3都市を舞台に、失くしたくない大切な思い出を胸に、大人になった若者たちの、過去と今を紡いだ3つの短編(『陽だまりの朝食』『小さなファッションショー』『上海恋』)からなる青春アンソロジー。中国の暮らしの基となる”衣食住行”をテーマに、3人の監督が自らの思いを重ね合わせ描く。

 中国のアニメ業界をリードするブランドHaolinersの代表を務めるリ・ハオリン(李豪凌)監督を総監督に、実写映画出身でアニメ初挑戦となるイシャオシン(易小星)、そして、CGチーフとして長年に渡り新海作品を支え続けてきた竹内良貴が監督を務める。なお、監督は全員30代前半で、竹内監督は劇場公開作品としては監督初挑戦となる。 

『陽だまりの朝食』イシャオシン(易小星)監督 コメント

これまで実写作品を手掛けてきた私にとって、初のアニメーション監督作品です。
原作は、私が六年前に書いた短文です。当時の私は田舎から北京に来たばかりで、頼れる人も、友も、仕事の目標もありませんでした。ある寒い冬の夜、あまりの寂しさから、故郷を想い、祖母や家族との懐かしの味とその思い出を物語にしました。その作品は共感を呼び、映画化の提案も多く頂きましたが、今回縁あってこの企画のお話をいただいた時に、この原作でアニメに初挑戦しようと決めました。
唯一残念な事は、祖母に捧げた作品だったのですが、完成する2か月前に祖母が亡くなり、その目で観て貰えなかった事です。ただ、天国にいる祖母も、微笑んでくれると信じています。

『小さなファッションショー』竹内良貴監督 コメント

この作品を作るにあたり、中国の広州の街中を歩き回りました。
近代的な真新しいビルが立ち並び、かと思えば昔ながらの町の風景もそこかしこに息づき、それらがものすごい速さで変化していくという、まさに時代の変化を絵に表したかのような光景がそこにはありました。
そこで暮らす人々はどのような思いを抱いて生活しているのでしょうか。
様々な人たちがいると思います。幸せな人、つらい人、未来に希望を抱く人、あるいは流されて生きている人もいるかもしれません。色々想像することができると思います。
この僕の作品は服をキーにして姉妹の関係性の変化を描いていますが、それを通して何か感じ取れるものが見終わった後に残ってくれれば幸いです。

『上海恋』リ・ハオリン(李豪凌)監督 コメント

人の一生は一瞬で過ぎ去り、人は何かを忘れ、誰かと別れ、離れていってしまう。そんな儚く消えゆくものを、美しい映像としてずっと残したいと思いました。
舞台となる上海の石庫門は、1980年代に生まれた私たちの世代には“実家”のような存在です。狭い中で、家族の距離は近く、温かい。しかし、時代とともに、人がいなくなり、石庫門は徐々に取り壊されています。幼少期、いつまでもその家に家族一緒に暮らしていくと思っていたのに、いつしか離れ離れに、そして永遠に別れる事になる。そんな”実家”への感情は”初恋”に似ていると思いました。
『上海恋』ではアニメーションという言葉を通して、それらの感情を皆様にお届けできれば幸いです。

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■公開情報
『詩季織々』
金夏、テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか公開
監督:リ・ハオリン、イシャオシン、竹内良貴
配給:東京テアトル
2018年/日本/カラー
(c)「詩季織々」フィルムパートナーズ
公式サイト:http://shikioriori.jp/

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