瀬戸康史に志尊淳……なぜ今イケメン俳優が、女装役に挑戦するのか?

イケメン俳優、なぜ女装役に?

 しかしながら、今回の3人の俳優の演技に関しては、作品自体はコミカルさを売りにしていても、その“女装"を笑いの種にせずにひとつのパーソナリティとして描いていることに、好感が持てると同時に時代の流れや作り手、視聴者側の考え方の変化をうかがい知ることができよう。

 それを演じる彼らも、役を演じる上で徹底して女性的な仕草を習得して、リアリティーを失わせずに演じ抜いている。3人とも高身長でいわゆるモデル体型の持ち主。メイクひとつでその美貌を獲得することは充分に可能だ。しかしそれだけでなく、瀬戸と志尊は持ち前の愛くるしい笑顔、そして城田は西洋的な顔立ちを存分に活かし、役柄としての魅力をさらに引き出しているのである。

 まさに彼らが性別を超えることで“ジェンダーレス"の文化を作り出す橋渡しとしての役割を果たしているのではないだろうか。今後も確実に多くの男性俳優が“女装”演技を披露する機会(もちろんその逆も)は増えていくことだろう。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『海月姫』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00放送
出演:芳根京子、瀬戸康史、工藤阿須加ほか
原作:東村アキコ『海月姫』(講談社『Kiss』所載)
脚本:徳永友一
編成企画:渡辺恒也
プロデュース:小林宙
演出:石川淳一
制作:フジテレビ/共同テレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kuragehime/

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