『POWER/パワー』スチャダラパーANIインタビュー
スチャダラパーANIが語る、50セント製作総指揮『POWER/パワー』の面白さ
「もしオファーがあればドラッグディーラーの役も」
ーーお気に入りのキャラクターはいますか?
ANI:トミーかな。ジェームズの右腕というか、相棒的な存在で。2人で資金洗浄のためにクラブを始めるっていう。その設定も面白いけど、これ観てるとクラブ経営は本当に大変なんだなって(笑)。このドラマに出てくるキャラクターたちは、50セントが子どもの頃に周囲にいた人たちの考え方や振る舞い方を参考にしたというところも、アメリカ社会の暗部を描いていて興味深い。ドラッグの世界って大変だな~、もし自分がその立場だったらあんなことできないなと、観ながら思ってました(笑)。50セントは出演もしているんですよね? 第2話の時点ではまだ出てきていませんでしたけど。
ーー50セントは第3話から登場するんですよ。奥さんに誘惑される運転手の父親であり、かつてのジェームズたちのボスで、ドラッグ絡みで刑務所に服役しているカナンという人物を演じています。
ANI:あぁ、名前は出てきてましたね。あと、50セントの主題歌(「Big Rich Town(feat. Joe)」)も含めて、音楽が結構よかったです。クラブでかかる音楽とか劇伴とか、どれもカッコよくていいなと思いました。主題歌のMVもすごいですよね。この独特のルックスがカッコいいってなるのは、さすが50セントです。
ーーANIさんは音楽的な部分で50セントから影響を受けたりしたんですか?
ANI:ダイレクトに影響を受けたわけではないけれど、1stアルバムの『Get Rich or Die Tryin’』は好きです。彼が主演した映画『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』も観ました。エナジードリンクやウォッカのプロデュースもしていて、いまは実業家みたいになっていますね。この前、成功者的としてアドバイスをするみたいな感じで『GQ』にも出ていました。
ーー去年、自己破産しちゃったらしいです。
ANI:あれ、そうなんだ(笑)。ラッパーが金持ちになり過ぎると失敗するってのは、あるあるですね。でも、製作総指揮を務めているこのドラマがヒットしてるから、また財布は潤うんでしょうね。彼には貯金する概念がないのかもしれないけれど。
ーーANIさんも最近は『シン・ゴジラ』に出演されたり、俳優としても精力的に活躍しています。そもそも演技を始めるきっかけは?
ANI:特にないです、オファーがくるからやっているだけで(笑)。ラッパーって結構そういうパターンが多いじゃないですか。ラッパーもやりつつ、俳優もやる、みたいな。その流れに乗って行きたい感じですかね。だからどういう役をやりたいとか願望もないんですよ。オファーがきたものをなるべく断らずに粛々とやっていくだけで(笑)。でも、大変だなって思います。やっぱり入り込めないというか、結局よそ者という感じで社会見学しているみたいになっちゃうんです。だからそこを何とかしたいとは思ってるんですけれど。『シン・ゴジラ』も自衛隊の役だったから、きちんと背筋を伸ばして立っていなきゃいけなかったり、回れ右の練習をすげーさせられたり(笑)。
ーー今後、さらにハードな役のオファーがあったら?
ANI:ドラッグディーラーの役とかはいいですね。役作りをしすぎない程度で(笑)。でも本当に、『POWER/パワー』は『ブレイキング・バッド』とかとはまた違ったドラッグものの面白さがあるので、是非観てもらいたい作品です。僕もこれからどんな物語になっていくのか、すごく楽しみにしています。
(取材・文=宮川翔/撮影=石川真魚)
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■配信情報
『POWER/パワー』シーズン1(全8話)
9月30日(金)より毎週金曜日1話ずつ配信
製作総指揮:カーティス・“50セント”・ジャクソン、コートニー・ケンプ・アクボウ
出演:オマリ・ハードウィック、リラ・ローレン、ジョセフ・シコラ、ナトゥーリ・ノートン、カーティス・“50セント”・ジャクソン、ルーシー・ウォルターズ、シンクゥア・ウォールズほか
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